ニワトリを猛暑から守る
ニワトリは寒さには強い(ニワトリの冬の飼い方)ことを以前書きましたが、 猛暑にはそれなりに注意が必要です。大規模な養鶏場などでは、 大型の工場扇風機で送風し、鶏舎内の温度が上昇しないよう、 気を配っています。熱中症で大量死する事故を防ぐためです。
開放的な平飼いをし、十分に水が飲める状態にしておけば、 暑さでニワトリが死ぬようなことはありません。 しかしやはり全身を羽毛で覆われているだけあって暑いらしく、 真夏は卵を産む個数が減ったりすることもあります。
ちょっと涼しく過ごしてもらうために、 ニワトリ小屋の屋上を緑化してみました。しかも水田緑化です。
プラ舟水田を屋根にする稲を育てよう
プラ舟水田を屋根にすることによる利点は、ただ単に日陰を作り、 雨を凌ぐだけでは無く、水をたたえていることです。 直射日光が当たってもトタン屋根のように、 卵が煮えてしまうような暑さにはなりません。 お湯のようになったとしても、蒸散する際の気化熱もあって、ある程度、涼しいのではないかと思います。
それにもしプラ舟水田に稲穂が実っても、 片っ端からニワトリは食ってしまうでしょう。しかし飛び上がれない ニワトリ小屋の屋根にしてしまえば、稲を 食べることはできないはずです。
足場を利用して屋根を作る
プラ舟の容積は220リットル。ある程度水を入れて 約200キロの重さになるとみると、 ラティスを組み合わせたニワトリ小屋(ニワトリ小屋を作ろう①)は、重さに耐えられません。 この重さに耐えられるしっかりした構造を、 最も簡単に作るために、工事現場で使われる足場を利用しました。
足場に使われる鉄管は、1メートルで700~900円。 これを近くのホームセンターで買ってきて「クランプ」 という金具で接続していきます。スパナさえあれば、 素人でもすぐに組み立てることができます。
1メートルの鉄管を真四角に組んで、 その上に2メートルの鉄管を3本置き、プラ舟の置き場とします。
丈夫な足場
このように四角形を組み合わせた構造物の場合、 横の力に弱いので、通常ならば筋交いを咬ませる必要があります。 が、実際にプラ舟を置いてみるとかなり頑丈で、ガッチリ締めれば 横揺れにも耐えられるようです。この地方は震度4~ 5程度の地震がよくあるのですが、 これなら十分に揺れに耐えると思われます。
心配な場合は鉄管の間隔を狭くしたり、 突っ張りの鉄管を増やすなどし、補強しましょう。 鉄管にすだれやよしずを結びつければ、 西日の差し込みを防ぐこともできますし、 冬には北風を防ぐこともできます。
ニワトリ小屋がおしゃれで無い問題への対策
ニワトリ小屋の屋根を水田にして猛暑対策とするなど、 実に効率的なアイデアだと思いますが、鉄管を多用したため工事現場のような無骨な見た目になります。殺風景といえば殺風景ではあります。決しておしゃれではありません。
設計者が機能面からしか物事を考えないタイプだと、 ニワトリ小屋がおしゃれであったほうがいい意味や理由がそもそも 理解できないので、こうした結果が生じるとがあります。 一定時間様子を見て気に入らなかったり、もし洒落気でも湧いてきでもしたら、ペンキを塗ってみるなり、鉄管にシュロ縄などをぐるぐると巻き付けてみるなりして、なんとなく装飾をしてみようと思います。
この屋上水田緑化ニワトリ小屋のその後は、本サイトの「ビオトープ」内の「水田ビオトープ」でご紹介しています。