稲作をしよう⑤水田ビオトープ実りの秋

稲作をしよう⑤水田ビオトープ実りの秋

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稲作をしよう④水田ビオトープ出穂

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稲作をしよう①~水田ビオトープ

プラ船一つ分の水田ビオトープから収穫した稲。かなりスズメにやられたが、茶碗何杯分くらいの米がとれるだろうか(撮影:趣味千編集部)

水田ビオトープに実りの秋

色づいた水田ビオトープの稲。こうべを垂れる稲穂かな(撮影:趣味千編集部)

 

大型のプラ舟を使った水田ビオトープ。出穂後も数度の台風に見舞われ、強い風に倒されたり、長雨と日照不足に苦しんだり、火山の噴火で灰を被ったりと、結構な災害に遭いながらも、なんとか実が詰まってきました。
こうなるとスズメが襲来するのは当たり前。野鳥はちゃんとおいしい時期を知っています。水田ビオトープの籾は次々とスズメの餌になっていきました。スズメの食害を防ごうと、キラキラ光る短冊のようなものを貼ったりしてみましたが、効果薄。本当はもう少し熟させてみたかったのですが、これ以上放置すると米が無くなってしまいそうなので、稲刈りを決行しました。

水を張ったまま稲刈り

しっかりと根が張っている稲。草刈り鎌は稲刈りにはちょっと使いにくい(撮影:趣味千編集部)

 

通常の稲刈りはコンバインなどを使いますので、稲刈りの前には水田の水を落とします。そうしないと如何に無限軌道をつけたとはいえ、田のぬかるみにはまって動けなくなってしまうからです。コンバインが脱穀した米袋を運ぶための軽トラックも走行出来なくなってしまいます。そういう理由で、水を抜いて田の表土を固めてから、稲刈りに取りかかります。
しかし今回は水田ビオトープ。水中にはまだミジンコやイトミミズ、タニシ、ヤゴなど、色々な生き物がいます。こうした生き物が干上がらないように、水を張った状態で稲刈りをしました。

稲刈りのタイミング

水田雑草のコナギやカヤツリグサが生えた水田ビオトープ。このまま水をたたえて春にまた田植えをしてみる予定(撮影:趣味千編集部)

 

稲刈りのタイミングは、稲全体が金色になったときがベストですが、葉先がやや枯れてきて、籾がふくらんで実が十分に詰まっていれば、可能です。スズメなどの食害が激しくなったり、強い台風の接近が気になるような場合は、すこし早めに刈り取る場合もあります。
台風が来るのに実が充実して重くなった稲穂を放置し、倒れてしまったら、籾が発芽してしまうこともあります。気象条件などを先読みして、稲刈りをします。

稲刈りと稲掛け

火山灰やスズメにやられてしまった稲。スカスカの籾殻だけになった稲穂もあった(撮影:趣味千編集部)
ある程度の束を棕櫚紐で結んで、稲掛けの準備。すべて見様見真似(撮影:趣味千編集部)

 

畳一畳もないプラ舟の水田ビオトープなので、鎌で稲刈りをしても15分ほどで終了しました。ただの草刈り鎌で刈ったのですが、本当はノコギリ状の刃が付いた鎌が使いやすいです。
刈り取った稲は一抱えほど。適当な束ごとに根元をシュロひもで結んで、洗濯物の物干し竿に掛けていきます。
天地を逆さまにして稲を乾燥させておくうちに、稲の養分が全て実に集まるということです。天気を見ながら、しばらくの間、乾燥させていきますが、この間にスズメに再び籾が食われることでしょう。

周年湛水にする

水田雑草は水田ビオトープの宝。ヤゴやヒメゲンゴロウなどの昆虫も、かなり種類が増えていた。害虫もまたビオトープの住人(撮影:趣味千編集部)

 

この水田はビオトープなので、水田雑草も放置してきました。コナギやカヤツリグサなどの水田雑草が所々にはびこっていますし、エビモのような水草も生えています。水中にはミズスマシやヒメゲンゴロウのような昆虫も、かなりの数増えているようです。
稲刈り後の水田ビオトープは一年中水をたたえた「周年湛水」とすることにします。残念ながら地元で採取出来なかったので、あきらめましたが、この方法だとドジョウやメダカを放しても大丈夫です。
もし稲刈り後の株からひこばえが出てきたら、もう一度稲刈りをして収穫しようと思いますが、高地で冬の訪れが早いため、難しいかも知れません。

新米をニワトリに捧ぐ

ボリスブラウン姉妹に初穂を奉納。すごい勢いで食べる、食べる、食べる(撮影:趣味千編集部)

 

水田ビオトープは、ニワトリ小屋を直射日光から守る、緑化屋根としての役割も十分に果たしてきました。鶏糞は水田ビオトープの肥料となり、ミジンコやモノアラガイなどの養分にもなってきました。
そういうことから、刈り取った稲穂のいくつかをニワトリにプレゼントしました。ボリスブラウンのアンジーとソフィー、早速猛烈な勢いで籾を次々と食べていきます。籾付きなので、おいしいなどとは思わないでしょうが、激しい食べっぷりです。
 

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