稲作をしよう④水田ビオトープ出穂

稲作をしよう④水田ビオトープ出穂

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稲作をしよう③~水田ビオトープ

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稲作をしよう①~水田ビオトープ

水田ビオトープ。稲が爆発的に成長した。ニワトリ小屋の屋根として、夏の日差しからボリスブラウン姉妹を守っている(撮影:趣味千編集部)

稲で田んぼが一面緑

カントリーロード。水田を渡る風は爽やかだ(撮影:趣味千編集部)

 
梅雨が明けて夏の日差しが強くなると、稲がどんどん成長します。早い時期に田植えをした「早稲」の田では、既に出穂(しゅっ・すい)し、稲穂に小さな白い花が咲いている所もあります。
稲がしっかりと地面に根を張り、台風などの嵐でも倒れなくなるようにするため、水田の水をいったん抜く「中干し」という作業も、あちこちで行われています。
中干しが行われるタイミングで、オタマジャクシがもうカエルになっていれば、中干しをしてもオタマジャクシが干上がって死んでしまうことはありません。田んぼで生まれたメダカやフナの稚魚は、干上がる前にいったん用水路などに逃げます。
 

プラ舟水田ビオトープも出穂

出穂したばかりの稲。白い花は雄しべだ(撮影:趣味千編集部)
 
プラ舟に土を入れて水を張り、田植えをした水田ビオトープ。素人がいい加減に育てた苗をメチャクチャに植えたため、どうなることかと心配しましたが、爆発的に成長しました。早苗は「ビーン」と天を突く勢いで伸び、怒髪天を突くといった様相です。
よく見れば稲穂もあちこちに出ています。穂には小さな白い花も咲いています。緑色の籾から出ているもので、これが稲の雄しべです。「優曇華(う・どん・げ)」などと呼ばれる、ウスバカゲロウの卵のようにも見えます。
 

水田ビオトープの中

分けつもしっかり。長梅雨もほとんど影響なく、健康的に育っている(撮影:趣味千編集部)
 
しっかり稲に根を張ってもらうための中干しをいったんしたので、ミジンコ類は恐らく全滅。水田ビオトープの一部に、拳が入るくらいの穴を掘って水たまりを作っておいたので、もしかするとそこで生き延びたものもいるかもしれません。
いったん姿を消したミジンコ類ですが、その後再び水を張ったら、再び発生しました。卵が孵化したのかもしれません。
タニシやイトミミズもどこからか再び出現しました。泥の中で水が溜まるのを待っていたのかも知れません。

水田ビオトープの肥料

ビオトープと言えば普通、水草や水質に影響を与えないように、肥料のようなものを与えることはありません。水草に必要で無い養分が苔やアオミドロを発生させるからです。
しかし水田ビオトープは稲を成長させるものなので、肥料を投入します。投入したのはウサギの糞。水面を覆い尽くすほど入れましたが、タニシやモノアラガイの絶好の餌となり、あっという間に分解されてしまいました。これが植物プランクトンやイトミミズに更に分解されていき、稲の養分となります。
 

ニワトリ小屋の涼しさ

稲の蒸散、水田の蒸発の気化熱がポイントの「趣味千式ニワトリ小屋」。効率的だがかなりフォトジェニックではない(撮影:趣味千編集部)
 
水田ビオトープは、ニワトリ小屋の屋根として設置したものです。波トタンなどでは猛暑の日射を受けると、一気にニワトリ小屋内の温度を上げてしまいます。
しかし水田ビオトープが屋根だと、「ひんやり」とはいきませんが、少なくとも天井部分は冷たいままです。水田ビオトープの水が蒸発するたびに気化熱が奪われるためです。
都市開発され、土の地面が少なくなると、一気にヒートアイランド化します。水田などに囲まれた場所だと、少々の猛暑でも熱を水田が吸収し、夕方などにはさわやかな稲の香りとともに、涼しいそよ風を送ってくれます。
 

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