稲作をしよう①~水田ビオトープ

稲作をしよう①~水田ビオトープ

プラ舟を使ったビオトープを作ろう!

 

なにかと遊べるプラ舟。今回は約150センチ×約90センチで220リットルの容量を持つ、特大のプラ舟を使う(撮影:趣味千編集部)

バケツでも稲が育てられる

2年前、知り合いの農家から記念にいただいた稲穂。このまま飾りとする予定だったが、育ててみることにした(撮影:趣味千編集部)
 
稲というのは連作が可能な大変優秀な穀物です。小麦などは連作をすると土地がやせていき、収量が減っていくのですが、稲はなぜだかわかりませんが、同じ田んぼで毎年作り続けても、連作による障害がほとんど発生しません。
ただ単に稲を育てるだけなら、誰でもできます。おいしい米をつくる、収量を多くする、といった目標はプロの農家でなくては達成できませんが、小さなバケツに泥を入れて、そこに田植えをするだけでも、十分に稲は育ちます。バケツでも立派な小さな水田です。
 

水田にやってくる生物

新聞紙を広げ、脱穀。かびた物などを除く(撮影:趣味千編集部)
 
稲を育てていると、色々な生物がやってきます。アマガエルやツチガエルなどの両生類、シオカラトンボやギンヤンマ、イトトンボ、タイコウチ、アメンボなどの昆虫。害虫として嫌われるニカメイチュウ(二化螟虫)やトビイロウンカなどもどんどん集まってきます。
バケツでは無く、トロ舟のような大きな容器で栽培すれば、魚類も飼えます。ドジョウやメダカなどを入れると勝手に繁殖しますし、田んぼの土を入れればカブトエビやホウネンエビが発生することもあります。ミジンコやワムシなどのプランクトンもたくさん発生します。タニシなどの貝類を入れても面白いです。田んぼの用水路から水草の塊を持って帰って放り込んでおけば、想像もしなかった生き物が次々と現れ、大変にぎやかになります。水田ビオトープはいわゆるビオトープより、はるかに生物の数が多くなります。

水田はビオトープ

このように多くの生き物がやってくる水田は、ビオトープそのものです。ただ土に水をためて稲を植えるだけで、驚くほど多くの生物がやってきて、数え上げきれないほどになります。ビオトープを作ったものの、近くに自然が無く、入れる生物の採取が難しいという人は、稲を育ててみることをおすすめします。プラ舟の3分の2をレンガなどで仕切りって稲を植え、残り半分にドジョウやフナ、メダカなどを飼うこともできます。
生物が増えると、サギのような鳥もやってきます。稲が実ればスズメも食べに来ます。驚くほど生態系が広がっていきます。
 
作り方はYouTubeの動画でもまとめてあります。ご視聴、チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

籾を選別する

バケツに籾を投入。浮いた籾は発芽の可能性が無い。沈んだ籾だけを蒔く(撮影:趣味千編集部)
 
稲を植えるために苗を育てます。一昨年に縁起物でもらった稲穂を新聞紙などの上でしごいて籾を取り、バケツに水を入れて籾を沈めます。
生きている籾は沈みます。浮いている籾は発芽しない籾です。本当は生卵が浮くくらいの塩水を作って、そこで籾まきに適した籾を選別する「塩水選」をしたり、60度くらいのお湯に10分くらい漬ける消毒などをしますが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。沈んだ籾を何時間か水に漬けておきましょう。
 

赤土に籾をまく

段ボール箱に新聞紙を敷いて赤玉土を広げる。赤玉土にはほとんど雑菌が無い(撮影:趣味千編集部)
 
籾をまくための土は、赤土を使いましょう。極小の赤玉土で大丈夫です。赤土は雑菌が少ないので、撒いた籾が病気にならず、良い苗が育つのです。
もし赤土が無いなら、普通の土でも構いません。箱形のザルに新聞を敷いたものや段ボール箱などに土を入れ、籾を撒きます。雑草の種が混じっていたり、雑菌が気になったりするなら、最初に土に熱湯をかけて、その後で籾を蒔くと良いでしょう。
 

玄米でもOK

精米した米はもう発芽しませんが、玄米ならば発芽します。籾が手に入らない人は、玄米を撒きましょう。しばらくすると芽が出てくるので、水を切らさないようにして、苗を育てましょう。いい加減な育て方なので、苗は成長にばらつきが出たり、立ち枯れ病や馬鹿苗病なども発生します。ビオトープ用なら薬剤などを散布せず、そのまま育てましょう。
 
 
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