石窯でサバの燻製

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石窯の口の前に吊るしたサバ。乾かすように煙を当てて燻製にしていく(撮影:趣味千編集部)

石窯の悩みの一つ、煙ですが、燻製をするとなるとこれは逆に役に立ちます。肉や魚などを煙が出る場所に吊しておくだけの簡単な方法で、ちょっといぶした燻製から、本格的に保存が利く燻製まで作れます。石窯を作ったなら試してみたい料理の一つです。今回はサバを軽く燻製にしてみました。

サバを捌く

中学生がハサミでサバを捌く。この時期、白子や真子を持っていた。良く身が詰まったよいサバだ(撮影:趣味千編集部)

バルキーノ職人から東シナ海に面した島で釣れたサバをもらいました。体調は30センチ程度の塩焼きサイズですが、胴は丸々と太り、背の肉も十分に張っています。
刺し身で是非食べたい所ですが、残念ながらちょっと時期的にアニサキスの危険もあるとのことでしたので、火を通して食べることにしました。
中学生に鋏で捌いてもらいました。鰓の下を切り、腹を切って内臓を取り出します。腹の中には白子、真子が詰まっていました。産卵期だったようです。白子や真子ももちろん、煮付けて食べることができます。

サバを矢竹に刺す

こいのぼりならぬサバのぼり。矢竹は何かと使い道がある(撮影:趣味千編集部)

矢竹にサバを刺し、ぶら下げて燻製にします。矢だけは鉛筆かマジックペン程度の太さの竹で、文字どおりかつては矢の材料として使われていました。趣味千ではこの竹で釣り竿を作ったりしていますので、お暇なときにご覧下さい(参照:矢竹でフライロッドを作る)。
矢竹を1メートルほどに切って、サバの口に刺して腹から抜きます。めざしのように、4匹のサバをぶら下げていきます。魚は焼くとき本来、口から余分な脂や水分が出るため、口を下にして焼くことが多いのですが、脂があった方がうまいので口が上でも構いません。4匹刺した状態は鯉幟のようです。

石窯の入り口に吊す

「鯖幟」が出来たら、石窯の入り口に吊します。たこ糸などで結び、洗濯物でも干すように吊すと良いでしょう。
吊す位置は重要です。煙が当たっている事が最も大事ですが、あまりにも煙が熱いと、単なる焼き魚になってしまいます。手をかざすと熱を感じるが、そのまま手をかざしておくと火傷してしまいそう、という程度の場所がベストです。じんわり、サバが乾燥しながら燻されていくような場所が最も良いようです。

燻し方

焼き魚にならぬよう、しかし煙は当たるよう、ちょうどよい距離にサバを吊るすのがコツだ(撮影:趣味千編集部)

時々矢竹を反対向きに付け替え、サバの両面を燻していきます。サバの身が沸騰しだしたらやや火から遠ざけます。煙に当てていると、焦げ目ではなく、皮が飴色になってきます。飽くまでもじんわりと乾燥させるようなイメージで、長時間かけて燻していきます。
芯まで火が通ったら食べられますし、もう十分に燻した香りが楽しめます。保存食のように完全に燻したい場合は、もっと何時間も掛けて燻しましょう。

薪の種類

薪には臭い薪というのがあります。木の種類によるもので、木の独特の香りが不快なものは、燻製には向きません。黒い煙を発するような燃え方をする木の薪も、燻製には適しません。
ただそうした薪も、いったん熾火になってしまえば臭いはしません。火力として利用し、燻す際には桜や梅、桃の剪定枝などをくべると良いでしょう。そうした枝が無い場合は、枯れ草などを燃やして燻製にすることもできます。良い香りのする煙を求め、今回はフキ、ヨモギ、サンショウなどの葉もくべてみました。

燻製の味と注意

芯まで火が通っている。燻製の良い香りがする。手でむしってむしゃむしゃ食うと旨い(撮影:趣味千編集部)

大きな魚や肉を真夏などに燻製にすると、できあがりまでに時間がかかりすぎて腐ってしまうことがあります。三枚におろしたものを燻製にするなど、工夫が必要となります。
燻製はタールが付着することから、発がん性も指摘されています。EUなどは燻製の途中に発生する「ベンゾピレン」が欧州委員会規則の基準を満たさないことから、かつお節の輸出を禁止したほどです。びっくりしてしまう話ですが、食べ過ぎには念のため注意しておきましょう。

このままでももちろんおいしいですが…。次の記事はこちら

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