多機能の石窯を作る②~石窯にコンロ機能を持たせる

多機能の石窯を作る②~石窯にコンロ機能を持たせる

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多機能の石窯を作る①~石窯の扉を作る

 

石窯のコンロ部の構造。大谷石に穴を開け、丸太を置き、粘土で固める。その後火をつければ、丸太が焼け落ち、粘土のトンネルができるという作り方。これが石窯のコンロとなる(作画:趣味千編集部)

薪割り不要

石窯の二段扉を全開とすると、大人の太ももくらいある太さの薪も、丸ごと放り込めます。熱が十分に蓄えられた石窯なら、かなり太い薪でも一気に燃やしてくれます。
本来の石窯は入り口が狭いので、薪は口に入る大きさに割っておかなければならないのですが、二段扉であれば全開状態で太い薪を投入し、上の扉だけを閉めておけば、口が狭い普通の石窯と同じように、熱が逃げていきません。ヨキや鉈で小さく割る作業から解放されます。

ピザを焼くのにも二段扉が活躍

石窯のコンロの口。普段は素焼きの鉢受け皿で蓋をしている。コンロを使うときは蓋を取り、五徳を置いて鍋をかける。網を置けば焼肉やバーベキュー、焼き鳥や焼き魚も可能(撮影:趣味千編集部)
 
ピザを焼くときはピザピールに生ピザを載せ、石窯の中に滑り落とします。石窯の入り口が狭いとのぞき込むようにして入れる必要があり、慣れが必要です。腰掛けた目線の位置に入口があるような低い石窯だと、這い蹲るようにしてピザピールを操作せねばならず、厄介です。
しかし二段扉なら全開にして入れられるので、簡単に焼き床にピザを置くことができます。ピザを置いたら上段だけを閉めれば、口が狭い石窯と同じ構造になりますので、強い熱気が上にたまり、外に逃げなくなります。この熱気だまりはピザで最も大切な焼き上がり直前の作業――しっかりとチーズに焦げ目を付けるために、ピールで石窯ドームの熱溜まりピザを押し上げる――に欠かせません。

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