ザワークラウト②爽やか酸味で健康的

ザワークラウト②爽やか酸味で健康的

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ザワークラウト①仕込み時期は冬

 

発酵し、瓶の蓋から泡を吹きだすザワークラウト。仕込んで10日後。乳酸菌がたっぷりだ(撮影:趣味千編集部)

1週間くらいから食べられる

ぱんぱんにキャベツを詰めた瓶は、直射日光の当たらない涼しいところに置いて、発酵を待ちます。冬場なら10日前後で酸味が増してきて、食べられるようになります。気温が高いと発酵が早く進みますが、腐敗する可能性も高くなります。気温が低い方が他の雑菌よりも乳酸菌のほうが優位に発酵できます。
発酵が進んでくると、瓶の内部の圧力が高くなって、たくさんの泡があふれてきます。この吹きこぼれが発酵の目安となります。しっかり発酵してから瓶の蓋を開けると、振った炭酸飲料の蓋を開けたときのように、ブシューっとキャベツ汁が噴き出しますのでご用心を。噴き出すほど発酵していれば成功です。

ローリエ、鷹の爪、キャラウェイシードを今回のザワークラウトには入れた。香辛料はほかにも試してみたい(撮影:趣味千編集部)

ザワークラウトの塩の分量

ザワークラウトで使う塩の量は、キャベツ1000グラムに対して塩20グラムを目安にしたら良いでしょう。血圧が気になる方は減塩してもいいと思いますが、あまり塩を減らすと雑菌が繁殖しやすくなります。
腐敗すると異臭がします。乳酸発酵がうまくいかなかったものは、納豆菌が増えて糸を引いたり、変色して濃い茶色になったり、刺激臭がしたりします。いったん瓶を食べ始めたら冷蔵庫などで保存しましょう。

すりこぎでギュウギュウ、キャベツを押し込んでいく。隙間がなるべくないようにして、腐敗しないようにする(撮影:趣味千編集部)

キャベツの選び方など

ザワークラウトはキャベツを刻んでそのまま使います。洗ってきれいにしてしまうと、葉の表面についた乳酸菌が流れてしまうからです。洗わない以上、無農薬、減農薬で栽培されたキャベツを使うのが安心でしょう。

一番外側の葉を最後に上から押し込む。外側の葉には多くの乳酸菌が付いている(撮影:趣味千編集部)

ザワークラウトの栄養価

ザワークラウトはビタミンCが豊富に含まれます。また乳酸菌が豊富で、食物繊維も豊富なため、整腸作用もあります。腸内環境を整えることは免疫力のアップにもつながります。
ただ加熱をするとビタミンCは損なわれますので、ビタミンCが摂取したいのであれば加熱せずそのまま食べるようにしましょう。

蓋を開けた瞬間、勢いよく汁が噴出する。乳酸発酵が上手に進んだ証拠だ(撮影:趣味千編集部)

ザワークラウトを使った料理

ドイツ料理店などでは、アイスバインやソーセージと一緒にザワークラウトが供されます。温めて提供する店もあります。
ザワークラウトをホットドッグに挟むのは有名ですが、ソーセージにぴったりの付け合わせだけあって、とてもおいしいです。脂のある肉や魚などのたんぱく質や、チーズなどの乳製品との相性も良いので、様々な料理に使えます。さっぱりとした酸味が、フライの付け合わせなどにもぴったりです。
スープやカレーなどに入れてもおいしく食べられます。ザワークラウトを漬けていた汁もまた調味料の一つとして、味に奥行きを出してくれます。
意外なところではピザのトッピングなどもなかなかいけます。溶けたチーズとの相性はなかなかです。

レストランでは温めたものが提供されることもある(撮影:趣味千編集部)

不思議なザワークラウト

ザワークラウトは作っても1カ月ほどで食べてしまうことが多いのですが、かつて作ったザワークラウトは常温で約1年ほど、全く腐敗せずに食べることが出来ました。これはかなり珍しいケースだとおもいます。発酵の状態が特別だったようです。
良いキャベツを使い、しっかり調理器具を熱湯消毒して作れば、ザワークラウトは難しくありません。キャベツが安くなる季節は是非、お料理の幅を少し広げ、発酵食品で健康に寄与してくれるザワークラウトづくりに挑戦してみてください。

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