トルコの料理「カプスカ」※(風)

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多機能の石窯を作る①~石窯の扉を作る

 

カプスカを焼く前。ダッチオーブンは、大人数分の料理を作るのに適している。ダッチオーブンを丸ごと石窯に入れる(撮影:趣味千編集部)

石窯でダッチオーブンを使う

キャベツ、玉ねぎ、ジャガイモを適当な大きさに切って、ダッチオーブンに投入(撮影:趣味千編集部)

趣味千式多機能石窯には、上下二段の鉄扉があります。石窯の上段の鉄扉だけを閉めれば口が狭い石窯となり、石窯内部の熱が外に出て行かないという利点があります。石窯の上下段の鉄扉を全部開ければ、大きなダッチオーブンを丸ごと、石窯内に入れてしまうこともできます。
効率の良い石窯の口は狭いことが条件ですが、このように口が開閉できるようにすれば、石窯でできる料理のレパートリーはぐんと増えます。

ダッチオーブンと石窯の相性は良い

ブロッコリーを並べ、牛肉をどっさり(撮影:趣味千編集部)

大きなダッチオーブンは、石窯の余熱を十分に生かす料理ができます。じっくり火を通す煮込み料理は特に相性が良く、ピザなどを焼いた後の残り火は、ダッチオーブンの調理に最適となります。
既に最上の状態の燃焼をしている石窯内部は煙も発生せず、ダッチオーブンが煤で汚れてしまうようなこともありません。薪の直火でダッチオーブンを熱した場合、ダッチオーブンが煤だらけになることもありますが、石窯ではほとんど煤はつきません。

初めてダッチオーブンを使うときはシーズニングを

更に牛肉をどっさり。この上から刻んだトマトをかける(撮影:趣味千編集部)

ダッチオーブンを初めて使う場合は、コーティングされていない鉄のフライパンや、鉄の中華鍋と同じように、シーズニングが必要となります。
まずあらかじめダッチオーブンに塗られている油を洗剤とたわしで洗い流します。それからダッチオーブンに水を入れて蓋をし、お湯を沸騰させます。このとき、薄い皮のようなものがダッチオーブンから剝げてくることもあります。これは出荷時にされたシーズニングです。
沸騰させたらお湯を捨て、乾燥させてから火にかけて野菜くずなどを、植物油で炒めます。これでシーズニングは終わりです。

カプスカの材料

鉄扉を上下段とも全開にし、石窯にダッチオーブンを入れる(撮影:趣味千編集部)

カプスカはトルコでは良く作られる料理だそうですが、カプスカに似た料理は世界各国にあるようです。カプスカは塩味ですが、カレーを入れればカレーに、しょうゆを入れれば肉じゃがに、唐辛子をたっぷり入れれば中国料理になるような、何にでも発展させられる料理です。
今回は7人分を作りました。材料はキャベツ半玉、タマネギ3個、牛肉どっさり、ジャガイモ5~6個、トマト4個です。

カプスカの作り方

かなり大きなダッチオーブンも石窯に丸ごとすっぽり入る(撮影:趣味千編集部)

カプスカを鍋で作る時は、水を加えて煮込む前に一度炒めた方がいいのですが、省略します。刻んだ野菜や芋をそのままダッチオーブンに入れ、その上に肉、トマトをどっさり置き、ニンニクやローリエやローズマリーなどのハーブを散らします。その上から適当に塩を振ります。塩味はあとで調整ができるので、入れすぎないようにします。肉が赤身の場合はオリーブオイルを一回しします。お好みでコショウもどうぞ。
材料を入れたら適量の水を加え、蓋をしてダッチオーブンを石窯に入れます。

ダッチオーブンには上から火が入る

石窯の上段の鉄扉を閉めて口を狭くし、石窯内部の熱が逃げないようにする(撮影:趣味千編集部)

石窯の口の空気の流れは複雑です。口の下の方から空気が入り、上の方から熱気が出てきます。このためダッチオーブンは上部のほうから火が入っていきます。
もちろん、熾火をダッチオーブンの下に広げておけば、下からも火が入ります。しかし上から火が入ると、ダッチオーブンと食材が直接接しないため、焦げることがほとんどないという利点があります。
肉から出た油が下の野菜や芋に染みこんでいき、カプスカはどんどんおいしくなっていきます。

カプスカの味を調える

石窯料理では、熱はダッチオーブンの上から入っていく。肉汁が下の野菜に染み込み、ハーブの香りが料理全体に回る(撮影:趣味千編集部)

石窯に入れてまもなく、ダッチオーブンの蓋から盛んに湯気が上がるようになります。野菜自体からもたくさん水分が出てきますが、水が無くなってしまわないよう注意しましょう。
火が入ったら石窯からダッチオーブンを取り出して冷まします。ダッチオーブン自体が熱せられていて、取り出してからもしばらくは煮込みが続きます。
冷めたら味を見て、必要なら塩を追加します。辛いものが好きなら、子どもの分だけ取り分けて、タバスコやコショウでスパイシーに仕上げましょう。
カプスカは塩だけのシンプルな味付けの料理ですが、それだけに食材の持つ本来の味が十分に感じられる料理です。アウトドアでも作り方は簡単。石窯特有の熱の入り方で、それぞれの食材の持ち味が融合した結果、素朴ながら大変味わい深いものとなります。

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