色々なアウトドア料理が作れる実力派の石窯の作り方は、こちらでご紹介しています↓
⇒1万円以内、1日で!石窯の作り方~①耐火レンガと陶器鉢を買う~
石窯でダッチオーブンを使う
趣味千式多機能石窯には、上下二段の鉄扉があります。石窯の上段の鉄扉だけを閉めれば口が狭い石窯となり、石窯内部の熱が外に出て行かないという利点があります。石窯の上下段の鉄扉を全部開ければ、大きなダッチオーブンを丸ごと、石窯内に入れてしまうこともできます。
効率の良い石窯の口は狭いことが条件ですが、このように口が開閉できるようにすれば、石窯でできる料理のレパートリーはぐんと増えます。
ダッチオーブンと石窯の相性は良い
大きなダッチオーブンは、石窯の余熱を十分に生かす料理ができます。じっくり火を通す煮込み料理は特に相性が良く、ピザなどを焼いた後の残り火は、ダッチオーブンの調理に最適となります。
既に最上の状態の燃焼をしている石窯内部は煙も発生せず、ダッチオーブンが煤で汚れてしまうようなこともありません。薪の直火でダッチオーブンを熱した場合、ダッチオーブンが煤だらけになることもありますが、石窯ではほとんど煤はつきません。
初めてダッチオーブンを使うときはシーズニングを
ダッチオーブンを初めて使う場合は、コーティングされていない鉄のフライパンや、鉄の中華鍋と同じように、シーズニングが必要となります。
まずあらかじめダッチオーブンに塗られている油を洗剤とたわしで洗い流します。それからダッチオーブンに水を入れて蓋をし、お湯を沸騰させます。このとき、薄い皮のようなものがダッチオーブンから剝げてくることもあります。これは出荷時にされたシーズニングです。
沸騰させたらお湯を捨て、乾燥させてから火にかけて野菜くずなどを、植物油で炒めます。これでシーズニングは終わりです。
カプスカの材料
カプスカはトルコでは良く作られる料理だそうですが、カプスカに似た料理は世界各国にあるようです。カプスカは塩味ですが、カレーを入れればカレーに、しょうゆを入れれば肉じゃがに、唐辛子をたっぷり入れれば中国料理になるような、何にでも発展させられる料理です。
今回は7人分を作りました。材料はキャベツ半玉、タマネギ3個、牛肉どっさり、ジャガイモ5~6個、トマト4個です。
カプスカの作り方
カプスカを鍋で作る時は、水を加えて煮込む前に一度炒めた方がいいのですが、省略します。刻んだ野菜や芋をそのままダッチオーブンに入れ、その上に肉、トマトをどっさり置き、ニンニクやローリエやローズマリーなどのハーブを散らします。その上から適当に塩を振ります。塩味はあとで調整ができるので、入れすぎないようにします。肉が赤身の場合はオリーブオイルを一回しします。お好みでコショウもどうぞ。
材料を入れたら適量の水を加え、蓋をしてダッチオーブンを石窯に入れます。
ダッチオーブンには上から火が入る
石窯の口の空気の流れは複雑です。口の下の方から空気が入り、上の方から熱気が出てきます。このためダッチオーブンは上部のほうから火が入っていきます。
もちろん、熾火をダッチオーブンの下に広げておけば、下からも火が入ります。しかし上から火が入ると、ダッチオーブンと食材が直接接しないため、焦げることがほとんどないという利点があります。
肉から出た油が下の野菜や芋に染みこんでいき、カプスカはどんどんおいしくなっていきます。
カプスカの味を調える
石窯に入れてまもなく、ダッチオーブンの蓋から盛んに湯気が上がるようになります。野菜自体からもたくさん水分が出てきますが、水が無くなってしまわないよう注意しましょう。
火が入ったら石窯からダッチオーブンを取り出して冷まします。ダッチオーブン自体が熱せられていて、取り出してからもしばらくは煮込みが続きます。
冷めたら味を見て、必要なら塩を追加します。辛いものが好きなら、子どもの分だけ取り分けて、タバスコやコショウでスパイシーに仕上げましょう。
カプスカは塩だけのシンプルな味付けの料理ですが、それだけに食材の持つ本来の味が十分に感じられる料理です。アウトドアでも作り方は簡単。石窯特有の熱の入り方で、それぞれの食材の持ち味が融合した結果、素朴ながら大変味わい深いものとなります。