ヨモギを味わう①~身近で多用途の野草

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あく抜きして水にさらしたヨモギ。身近にタダでこんな有用な野草が生えているというのは、ありがたいこと(撮影:趣味千編集部)

春先から初夏に架けて野原や河川敷に生えるヨモギ。団子や餅、天ぷらなどにして味わうと香り高く、品種改良された野菜とは違うワイルドながら、優しく豊かな風味と味が楽しめます。かつては薬用・食用として盛んに利用され、煎じて飲んだり、料理に混ぜたりされてきました。「雑草」として嫌われるヨモギを早い内に摘み取り、豊かな野原の味を楽しんでみましょう。

ヨモギの思い出

摘み放題。若くなるべく小さなものを選んで摘んでいく(撮影:趣味千編集部)
キク科で葉が菊に似ている。このまま天ぷらで食べるのが一番おいしいかもしれない(撮影:趣味千編集部)

「けがをしたらヨモギを揉んで貼っておけ」と、祖父母に教えてもらった人も、ある程度の年齢の世代にはいるのではないでしょうか。
雑菌が入ったりすることがあるので現在そういう治療をする人はあまり見かけませんが、医薬品が乏しい時代、薬草として重要だったヨモギは軽いけがの治療にはつきものでした。
現在でもヨモギは漢方薬の薬草として利用され、様々な症状に応じて使われています。
変わったところでは、ヨモギは鉄砲の火薬に使う硝石を作るのにも使われた記録があります。作硝の仕方は地方で様々で、堆肥や養蚕で出たカイコの糞や食べかすを使う方法など、色々あります。どの方法でもヨモギはほとんどの場合、使われているようです。

多用途のヨモギ

鮮やかな緑が美しいヨモギ(撮影:趣味千編集部)

口にするだけでなく、ヨモギは魚をやすでつくときに水中めがねの曇りを止めるのにも使われました。指で揉んで汁をガラスに塗るのです。その他、「張り付いたヒルを取るのに使う」「虫除けに焚く」など、様々な用途が日本全土にあったようです。
こうした多用途性は「十薬」の名で利用されるドクダミに匹敵するもので、日本ではヨモギに対しては一種、尊敬の念が根底にあるようにも感じます。

どこでヨモギを摘む?

あく抜きしたヨモギは刻んで冷凍しておくと1年中使える(撮影:趣味千編集部)
擂鉢で潰して色々な料理に使う。ヨモギの良い香りが充満する(撮影:趣味千編集部)

ヨモギは野原や河原などの日当たりが良く、開けた場所に生えています。道ばたなどにも生えています。
ただ摘み取る場所の安全性に気をつける必要が十分にあります。
農薬や除草剤には気をつけましょう。屈強な生命力のヨモギは雑草として厄介なため、除草剤をまかれている可能性があります。自治体でも散布して「除草剤を散布しています」という立て看板を立てることはほとんどありません。公園など、子どもたちが遊ぶ場所にも除草剤は散布されるので、摘み取る前には地元の人に尋ねるなどして情報を集めましょう。

どんなヨモギを摘む?

深い味わいと豊かな香りが楽しめるヨモギ茶は簡単に作れる(撮影:趣味千編集部)

ヨモギは摘みどきがあります。背が高くなって花が咲いたような大きなものは葉が固く、食べられません。草団子や草餅にしたり、天ぷらやお茶にしたりする場合は背が低いほど良いです。葉が柔らかく、食用に適しています。
灸にするもぐさを取る場合は、成長したヨモギを採取します。もぐさはヨモギの葉の裏の、産毛のような細かい毛を干して集めたものなので、大きくなってから採取します。
次回はヨモギを使った料理をご紹介します。

ヨモギを味わう②~団子、パン、うどん、パスタ

美しい緑には料理中にも癒されました。動画でぜひご覧ください↓

 

 

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