前回の記事はこちら
ワラビのアクを抜く
シダの仲間の芽の部分であるワラビは、代表的な山菜で、 比較的採取しやすいものです。 ぶらぶら散歩しながら集めてきたワラビを、料理してみます。
ワラビには中毒となる毒素が色々と含まれているので、 そのまま食べるのは厳禁です。 しっかりアク抜きをしなくてはなりません。 ワラビのアク抜きは簡単で、重曹を使ったり、塩漬けにしたり、 地方ごとに様々な方法がありますが、今回は石窯(⇒簡単!楽しい!おいしい!石窯を作ろう‼) で燃やした薪の灰を使ったあく抜き方法を採用します。
ハートランドファーム いちご一笑
石窯の灰は良質
石窯の灰は杉、松、桧、櫨、梅など、 あらゆる木を燃やしてきたものですが、 どんな木を燃やしてた灰でも構いません。 ビニールのような化学物質や、 灯油のような石油系のものを燃やした灰で無ければ、 問題はありません。
この灰には、小さな炭も混じりますが、それも構いません。 これらの灰は本来は肥料や火鉢の灰として役に立ちますが、 古来からアク抜きには欠かせないものでした。 春先に山菜を料理する人は、冬に薪ストーブや暖炉、 石窯を使った残りの灰を、全部畑に撒いてしまうのでは無く、 アク抜きの分だけとっておきましょう。
ハートランドファーム いちご一笑
アク抜きの意味
アクというのはワラビの持つ毒素のことで、 アク抜きというのはその毒素を水に溶かしだしてしまうことです。 炭酸水素ナトリウムである重曹で水をアルカリ性にし、 ワラビの繊維を破壊することで、 ワラビの中の毒素が水に溶け出してしまうことを「アク抜き」 といいます。木の灰にも炭酸カリウムが含まれており、 重曹と同じように水をアルカリ性にするため、 ワラビのアクが抜けるわけです。
やったことがないのでわかりませんが、 酢を使ったアク抜き方法もあり、 これも酸の力でワラビの繊維を壊すのでしょう。
ワラビを灰まみれにする
集めた灰をワラビにまぶします。 ワラビの切り口にもたっぷりまぶしたところで、熱湯を注ぎます。 熱湯もワラビの細胞を破壊するのに役立ちますが、 熱湯をあまり多く注ぐと、アルカリ性が弱くなってしまうので、 ひたひたくらいがちょうど良いでしょう。
煮てしまえばワラビの細胞がもっと分解されて、 アクもどんどん抜けるでしょうが、 煮てしまうとワラビがドロドロに分解してしまい、 ワラビの歯ごたえを失ってしまいます。
熱湯を注いだ状態で最低でも一晩、放置してアクを抜きます。 アクを抜き終わったらきれいな水にさらして灰を流し、 アク抜きは完成です。
ワラビ料理
アク抜きをしたワラビは、きれいな水の中で整然と並び、 美しいものです。様々な調理法がありますが、 今回は煮物と味噌汁にしてみました。
煮物は油揚げとワラビを、酒とみりん、 しょうゆで味付けしたもの。鰹節を出汁の代わりに入れました。 味噌汁も油揚げと合わせ、いりこ出汁、麦味噌です。 水煮として袋詰めで売られているものよりも新鮮なため、 ワラビ特有の歯ごたえとぬめり、香りが楽しめます。 お近くにワラビが自生しているような野原でもあれば、 ぜひ山菜採りと料理に挑戦してみてください。
前回の記事はこちら
HOMEへ