からすみを作る①~世界中で作られるからすみ

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完成したブリ卵のからすみ。結構いい出来栄えで、味も香りも食感もカラスミ(撮影:趣味千編集部)

高級食材として料亭などでちょこっとだけ出されるからすみ。日本ではボラの卵を使って作られ、長崎などが有名な産地です。今回は安価なブリの卵を使って、からすみを作ってみました。時間はかかりますが難しい作業ではなく、見栄えにこだわらなければどなたでも作れます。

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からすみは世界中で作られている

1グラム1円のブリの卵。ボラの卵に比べると激安だ。このまま煮付けて食べてもおいしい(撮影:趣味千編集部)
血管の血を抜くことでカラスミが完成した時の色が美しくなるが、ブリの卵の場合は血が抜きにくい(撮影:趣味千編集部)

からすみはヨーロッパ各地や中東、アジアなど、世界各地で作られています。イタリアのからすみ「ボッタルガ」は特に有名です。
からすみ製造は歴史も古く、ギリシャやエジプトなど古代文明が栄えた地方で作られていたようですが、たぶんもっと古くから作られていたでしょう。魚卵を持った大型のボラがたくさん採れ、一度に食べられなければ、冷蔵庫の無い時代ならば燻製にする、塩に漬ける、干すなどの作業はごく普通で、そのような中でからすみっぽいものが完成していても、全く不思議ではありません。
一般的にはからすみは、日本には安土桃山時代に明国から伝来したと言われています。

からすみの原料

一応の下処理が済んだブリの卵。両端の黄色っぽい卵がいいからすみになった。真ん中の二つは縮み方が強かった(撮影:趣味千編集部)

ボラだけに限りません。マグロ、タラ、サワラ、シイラ、サバ、真鯛など、色々な魚卵で製造されています。淡水魚のコイの卵でからすみを作るところもあります。
いずれも製造法は万国ほぼ共通しており、基本的には塩漬けにして水を抜いたものを天日で干す、というものです。イクラのような大粒の卵ではなく、タラコのような小さな粒が集まったタイプの食用の魚卵であれば、ほぼ全てでからすみをつくることが可能です。

塩はどっさりと使う。表裏、しっかり塩をまぶす(撮影:趣味千編集部)

からすみの魚卵を持つボラとは

最初はどんどん水が出てくる。塩を適宜追加し、水分を抜く(撮影:趣味千編集部)

ボラは「ねこまたぎ」などと呼ばれて、おいしくない魚と言われますが、上質な身をしており、美味です。刺し身、洗い、フライ、身を磨り潰したつみれの汁など、様々な料理で味わうことが出来ます。特にボラの幽門部は「へそ」や「算盤玉」と呼ばれ、独特の食感があることから、珍重されます。
スズキと同じく成長に応じて呼び名が変わる出世魚で、関東では「オボコ」「スバシリ」「イナ」「ボラ」「トド」などと大型化するに連れて呼ばれます。
ボラは水質が汚染された河口などで生活する習性があるため「泥臭い」というイメージが定着し、敬遠されるようです。沖合で取れた「沖ボラ」などと呼ばれているものは、間違いなく美味なので、是非味わってみましょう。

ボラの卵は高い

塩漬けで数日経つと魚卵が引き締まってくる(撮影:趣味千編集部)

ボラは身は安いのに、卵は非常に高価です。300グラムから500グラムで、7000円程度から15000円程度と、身とは比べものにならない高さです。
ボラの卵は鮮やかなオレンジ色をしていて非常に美しく、作ったからすみが形も良く、きれいに仕上がるのが、他の魚卵との大きな違いとなります。
ボラの卵は国産ばかりではなく、中東などからも輸入されていましたし、現在ではオーストラリア産が多く輸入されています。

完成に日にちがかかるだけで、手順は簡単。次の記事はこちら

からすみを作る②天日に干し完成!

 

 

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