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大きなダッチオーブンは、大人数のメインディッシュを作るのに適しています。材料をぶち込んで石窯に放り込んでおけば、じっくりと火を通してくれ、最高の料理が一度にできあがります。
石窯の余熱を利用する
ピザなどを焼くときは、石窯内部はかなりの高温となります。石窯は草をたっぷり混ぜ込んだ粘土層に包まれているので、熱をいつまでも蓄めていてくれます。この熱でダッチオーブンの調理をします。
炎がチロチロと小さく燃えるだけとなり、燃え残った薪の熾火が赤々としているような火力が、ダッチオーブンの調理のタイミングです。薪を足す必要はありません。あとは石窯の余熱だけで調理します。
石窯内のダッチオーブンの火の入り方
石窯は入り口の下方から空気が入り、上方から熱風が抜けていきます。このため普通の鍋とは異なり、ダッチオーブンには上から火が入っていきます。従って鍋の底が焦げることはあまりありません。
キャンプなどでダッチオーブンをする際には、ダッチオーブンの蓋の上に熾火を置いて、上からも熱を通すようにしますが、石窯では元々、上から火が通ります。
骨付き鶏もも肉とジャガイモとトマトの蒸し焼き
骨付き鶏もも肉にフォークなどで穴を空け、塩、タバスコ、黒胡椒などをすり込みます。ダッチオーブンにオリーブオイルを入れてトマトのざく切りを投入、ジャガイモ、シメジ、ニンニクなどを載せて、骨付き鶏もも肉を上に被せるように置きます。
さらにグリーンピースを入れ、ローリエやローズマリーなどの香草を置いたら、塩、赤ワイン、黒胡椒、オリーブオイルを加え、蓋をし、石窯に入れます。石窯の蓋をしっかり閉めて、あとは放置です。
どのように煮えていくか
石窯内のダッチオーブンは、最初に一番上の鶏肉から火が入ります。皮の表面に火が入り、肉汁や脂が下に落ちていきます。シメジの出汁とともにジャガイモ、トマトに滴りながら赤ワインと交じり、次第に沸騰していきます。
沸騰すると同時に蒸気が立ち、一番上の鶏肉を蒸し上げていきます。ダッチオーブンからは少しずつ蒸気が逃げていき、スープが煮詰まりながらジャガイモを煮ていきます。
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1~2時間放置で完成
ダッチオーブンはとても熱くなっているので、できあがりを知るためにいちいち蓋を空けて確認するのは大変です。ちゃんと煮込めているかどうか知るためには、香りを嗅ぐことです。時々ダッチオーブンから出る湯気を嗅ぎ、鶏肉が煮えている香りがするか確かめましょう。
ダッチオーブンは比較的密閉しているので水分が蒸発しにくく、鍋底にスープのような水分があればめったには焦げません。とはいえ火が強すぎるなどして水分が蒸発してしまうと焦げるので、注意が必要です。
燃料に注意
石窯は薪を燃やしますが、ダッチオーブンには豆炭を使う事があります。蓋の上に火がついた豆炭を置き、上からも熱するためです。しかし石窯ではお勧めできません。豆炭の原料の石炭は、産地によっては水銀を含みます。石窯の中に石炭系の燃料を入れると、水銀を含む灰が出る恐れがあるので、薪や炭以外は入れないようにしましょう。
どんな味か
塩だけの調味ですが、鶏肉や鶏の骨から出たスープが野菜に染み渡り、非常に深い味わいとなります。ジャガイモはねっとりとした食感で甘みが出て、トマトやワインと渾然一体となったコクのあるスープをじっくり吸い込んでいます。鶏は皮はパリパリですが、身は蒸されてほろほろです。焼く、蒸す、煮るという3つの調理が一つのダッチオーブンの中でなされるため、食材に適した調理が層によってなされます。
石窯ではこんなこともできます。次回の記事は
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