どんな石窯をつくればいいの?~原理、形状、材質の基礎知識~石窯の作り方

どんな石窯をつくればいいの?~原理、形状、材質の基礎知識~石窯の作り方
石窯 ピザ
ピザのチーズに焼き目をつけるのは、石窯のドーム部。石窯の構造が料理の出来の良し悪しを左右する(撮影:趣味千編集部)

石窯の作り方は効率を重視して

石窯の形には様々なタイプがあり、作り方も様々ですが、効率の良い形にし、適切な素材を選んで作らないと、とても性能が低い石窯となり、料理にいつも悩まされることになります。石窯は自分で作った以上は多少効率が悪くても愛着がわきますが、友達を呼んでいざピザを焼こうとしてもなかなか焼けなかったり、異常な量の薪が必要になったりすると、やっぱり萎えてしまいます。この項では誰でも簡単に作ることができて、しかも効率がとても良い石窯の作り方についてご紹介します。

効率の良い石窯とは?

石窯 模型
理想的な石窯は入り口が狭く、奥が深くドーム型となっている。やや楕円形が理想(撮影:趣味千編集部)

効率が良い石窯とは、少ない薪でもしっかり高温となり、しかもその高温が長時間維持される機能を持つものです。大量の薪を投入しても石窯の熱が逃げてしまってなかなか暖まらなかったり、一気に暖まったがすぐに冷めてしまう石窯は、効率が良いとは言えません。少ない薪でもしっかりと高温となるためには石窯の形が重要で、高温が長時間維持されるには、石窯の素材が重要になります。
一度にいろんな料理ができる石窯も、効率が良い石窯と言えます。ピザを焼きつつ、鶏肉や豚肉をローストしたり、燻製を作ったり、お湯を沸かしたり、まんじゅうを蒸したり・・・。ちょっとした工夫で、同時進行で料理ができる石窯も作れます。

効率の良い石窯の形は?

石窯 模型
口が広い構造の石窯では熱風(赤)が外に逃げてしまう。大量の薪が必要となり効率が悪い石窯になってしまう(撮影:趣味千編集部)
石窯は、石窯の内部が高温にならなければ意味がありません。つまり石窯は、せっかく薪の炎で暖まった空気が逃げないような構造にする必要があります。そのためには石窯の入り口を小さく狭く、奥を広く深くする必要があります。
逆に効率の悪い石窯は、入り口が大きく、熱せられた空気がどんどん外に逃げていきます。こうなるといくら薪を投入しても、いつまで経っても石窯全体が暖まらず、なかなか料理に取りかかることができませんし、料理を始めても火力が維持できません。

石窯に煙突は基本いらない!

石窯 模型
煙突は着火時に火の点きをよくしてくれるが温まった空気をすべて外に逃がしてしまう最悪の構造となる(撮影:趣味千編集部)
薪ストーブなどに煙突がつきものであるように、石窯にも煙突が必要なのでは無いかと思う人もいるかもしれません。しかし石窯には、室内に設置するなどの特別な条件下で作るのでない限り、煙突は基本的にいりません。
石窯の中には煙突を真上に付けたものもあります。煙突があれば一気に火が付きますので、最初の点火時には非常に役に立ちますが、 いったん火が付いた後は、熱せられた空気をどんどん石窯の外に排出し続けるという最悪の機能しか果たしません。
こうなると石窯全体が熱せられるのに非常に多くの薪が必要になるだけでなく、石窯の温度も下がりやすくなります。煙突をどうしても設けたいのであれば、煙突を塞いで排煙を防ぐ弁を設置するなどの工夫をする必要があります。

石窯は二層が基本

石窯は耐火レンガや陶器の鉢、わらなどを混ぜた粘土などを使って作ります。異なった素材を組み合わせて作るのには、それぞれの素材に意味があるからです。陶器の鉢は炎で熱せられると「キンキン」に熱くなります。これに対しわらを混ぜた粘土などは熱を蓄積した「ボワボワ」っとした熱さとなります。
陶器の ほうがより高温になりやすいが冷めやすく、わらを混ぜた粘土の方が低温ですが保温力が高く、冷めにくいのです。この二つを組み合わせて二層にすることにより、瞬間的な火力を得つつも、長時間、熱が失われない石窯を作ります。

陶器を粘土で包んじゃえ!

効率の良い石窯は、高温を放つ陶器やレンガなどを、たくさんの空気を含んだ保温性の高い粘度で包んだものです。陶器やレンガだけで作ると冷めやすく、粘土だけで作ると暖まりにくく、強い火力が得にくくなります。
粘土で作ったドームの外側にタイルやレンガを張った美しい石窯を見ることがあります。見た目は素晴らしいですが、タイルやレンガを石窯の内側に張り、外側を粘土にした方が石窯としての効率は高く、料理もしやすくなります。

効率の良い石窯のまとめ

石窯 模型
入り口が狭く奥が広い理想的な石窯の形。熱風がドーム内に蓄積されるため温まりやすく冷めにくい構造となっている(撮影:趣味千編集部)
というわけで効率の良い石窯についてまとめると
①石窯の入り口が狭い
②陶器やレンガをわら粘土などで包む
という2点に集約することができます。これらを作るために必要なものは、①耐火レンガ②陶器の鉢など③赤土や粘土④わらやもみ殻など、となります。ホームセンターで販売されているものも多く、いずれもそこまで入手が困難なものではありません。予算も5千円~2万円前後で済みますし、特別な建築技術も、強い力も必要ありません。

セメントは使わない

今回おすすめする石窯では、セメントは基本的には使いません。セメントやレンガを使って石窯を作ると、立派なものができますが、老 朽化してまた作り直す時などに大きな労力が必要となりますし、大量のがれきが出てしまいます。もしいつか石窯を解体するとしても、レンガはレンガとして再利用でき、粘土はまた大地に戻るという点でも有利です。
火を入れれば入れるほど、石窯はどうしても傷んでいきます。そのまま放置すればいつかは崩壊してしまいますが、ヒビが入れば粘土で埋め、少しずつ補修をしながら石窯を維持していきます。粘土でできているとはいえ、補修を繰り返し、雨さえしのげば何十年でも使うことができます。

粘土は自由だ!

石窯はドーム形が基本ですが、粘土はこねて貼り付ければどんな形にも加工できます。ドームを巻き貝のような形にしたり、猫みたいな耳にしてみたり、思いつくままに楽しい造形を作ることができます。子どもたちにとってはこれほど面白い遊びはないでしょう。
あえてドーム型にせず、鍋や食材が置ける水平な場所を作ったり、乾燥が甘い薪を乾かす台を作ることもできます。ドームの上にもう一つ、小さなかまくらのようなドームを作ってその中でロウソクに火をともすと、小さな灯籠にもなります。なかなか良い雰囲気が出ますよ!
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