石窯でピザを焼こう!②

前回の記事はこちら↓

石窯でピザを焼こう!①

 

石窯の中の炭
すすが燃え尽き、レンガ本来の色になったらピザの焼きごろ(撮影:趣味千編集部)

 

石窯は長時間の運転が得意ですが、運転までには非常に時間がかかります。ピザの準備をする前に十分に薪を燃やし、石窯をよく温めておきましょう。またピザの生地の発酵時間も考慮することをお忘れなく。石窯の料理は段取りが肝心です。

ピザを焼くタイミング

石窯の中をのぞき込んで、レンガや陶器の鉢がすすけているようでしたら、まだピザを焼く温度には達していません。すすがすっかり焼けて、レンガが白っぽく、新品同様の色になっていたら、焼きどきです。崩れた赤い炭をまず焼き床に十分広げ、小さな薪を一本、奥のほうに放り込んでから、ピザの準備に取りかかります。ピザの焼き床を十分に温めておくことを忘れると、上ばかり焼けて失敗します。

ピザ生地を広げる

ピザ生地を適当な大きさにしたら、ピザピールの 上に十分に打ち粉をしてくっつかないようにし、ピザ生地をその上で広げます。中心部はなるべく薄く、外縁は若干、高めにするイメージで作ります。というのも、あとでチーズが溶けたとき、外縁が低いと垂れてしまうからです。厚い生地が好きな人は厚く、薄い生地が好きな人は薄く、好きなようにピザ生地を作ってください。ただし、あまり薄くすると、破れてしまいますので注意です。最初は厚めの生地にするのが無難です。
のばしたピザ生地
ピザ生地は真ん中を薄く、外縁をやや高めに作る(撮影:趣味千編集部)

ピザをトッピングする

生地にさっとトマトソースを塗り広げます。ソースは生地を弱くするので、トマトソースを塗った後は手早く、次々とソーセージやチーズ、バジルを乗せていきます。あまり乗せると、溶けて垂れたときに外縁をはみ出てしまうので、焼き上がってチーズが広がったときのことを想像 して、トッピングしましょう。
ピザ生地にトッピング
いろいろトッピングしたくなるが、乗せすぎるとピザ生地がやぶれてしまう(撮影:趣味千編集部)

ピザを入れる前に焼き床を軽く掃除

ピザピールに乗せたピザを、石窯に運びます。その前に、石窯の焼き床に広げた炭を、トングなどで奥に押し込みます。先ほど投げ込んだ薪が炎を上げていることが、後述しますが、ピザを焼く上では大事です。焼き床が露出したら、濡らしたタオルか、ススキなどの背丈の高い雑草で焼き床をさっと拭き、灰を適当に払っておきます。

石窯にピザを投入

石窯にピザピールを突っ込み、フライ返しでピザを持ち上げつつ押すようにしながら、焼き床にゆっくり滑り落とします。先ほどまで炭が広がっていた焼き床はすぐにピザの底を焼きます。窯が十分に暖まっていれば、窯の奥のほうのピザがすぐに焼き目がつき始めるので、焦げないようにトングで少しずつピザを回します。チーズが溶ける様子を見ながらピザを回すと、1周するころにはもう全体に十分に火が入っているはずです。温度にも寄りますが、1分から3分で焼き上がるはずです。
石窯で焼けるピザ
火から離れていても、チーズがぐつぐつと沸騰し始める(撮影:趣味千編集部)

焼き目をつける

ピザに十分に火が入ると、チーズが溶け、ピザの縁の生地がパンのように膨らんできます。このタイミングで再び、ピザピールにピザを乗せます。トングでピザをハサミ、引きずるようにして乗せると良いでしょう。
先ほど投入した薪の炎が、高熱を石窯のドームに送り込んでいます。ピザピールに載せたピザを持ち上げ、このドームの中に突っ込むようなイメージで10~30秒ほど、近づけます。この時にチーズやピザの縁に、おいしそうな焼き目がつきます。とても大切な仕上げの作業なので、挑戦してみてください。

ピザが焼き上がったら

鍋蓋
鍋蓋や寿司おけの蓋は、十分ピザプレートの代わりになる(撮影:趣味千編集部)

 
焼き上がったピザは、自家製の木製のピザピールの上でならカットできます。アルミやステンレスのピザピールは傷ついてしまいます。ピザをカットするためのピザカッターや、木製のピザプレートをお持ちであれば大変良いですが、もしなければ木の鍋ぶたを裏返しにし、ピザプレート代わりにしても十分に使えます。また、包丁で切っても構いませんが、包丁の材質によっては熱で切れ味が悪くなることがありますので、注意が必要です。

次々に流れ作業で焼く

バジルとウインナーのピザ
焼きあがったピザ。バジルは焦げやすい(撮影:趣味千編集部)
 
多くの客がいて、次々にピザを焼く必要があるなら、2人でピザを焼いた方が流れ作業ができて効率が良いでしょう。石窯は熱が長持ちしますが、風が強く吹き込んだりすると熱が奪われてしまいます。火力が十分なうちに、次々と焼いていきましょう。
ピザは石窯料理の中でも、高温を必要とする料理です。ピザが焼き終わればパンを焼いたり、肉や魚を焼いたり、次の料理ができます。またピザを焼きたいなら、細目の薪をもう一度入れて炎を上げれば、すぐに温度が回復します。

石窯の前に座る時の注意

燃えるおき火
赤々と燃える美しいおき火。作業のときは水分を十分に(撮影:趣味千編集部)
冬は石窯の前に座ると本当に暖かいのですが、夏は地獄です。しかし石窯はバーベキューなどを何ランクもアップさせてくれる強力な調理器具なので、やっぱり夏もどんどん使いたいものです。
夢中でピザを焼いていると、気付かないうちに水分不足で脱水症状になることがあります。炭の火力は猛烈で、刀匠などは、一升瓶に入れた水を飲み干しながら刀を打っています。外気温が30度を超すような夏は、熱中症になる可能性も高いので、しっかり水分を補給しながら焼きましょう。
もっと多くの機能を備えた石窯作りはこちら↓
多機能の石窯を作る①~石窯の扉を作る
 
この記事の内容を動画にしました。ぜひご覧ください↓
 
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