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目次
泥んこ楽しい粘土貼り~趣味千式石窯の作り方
石窯の土台が完成し、石窯本体のレンガが組み上がれば、いよいよ最終段階の粘土貼りが始まります。効率の良い石窯には欠かせない保温層である重要な粘土。これを貼るには泥んこになる覚悟が必要ですが、なぜか大人でも結構楽しいもの。この石窯の作り方は、子どもさんなら大喜びするのは間違いありません。石窯作りで最も面白いところかもしれません。
粘土貼りは、さまざまないたずらできます。ブロックやレンガなど、既製品だけで作られた石窯を、一気に遊び心に満ちた個性的なものにしてくれます。思うがままに、とにかく自由に粘土を貼りまくって、世界に一基だけの自分だけの石窯を作りましょう。
赤玉土から石窯の粘土を作る
園芸コーナーなどで売っている赤玉土は、元々は赤土なので、潰すと赤土に戻ります。セメント などを練るのに使うトロ船に赤玉土を1袋入れ、水を加えずに足で踏みます。下方向に圧がかかるように踏むよりは、ツイストのようにかかとを回してすりつぶすようにすると、よくつぶれます。ある程度、粉末状になってきてから、少しずつ水を加えます。
赤玉土はすぐにつぶれて粉状になりますし、水を加えながら踏むとネチャネチャと粘りが出てきます。粘りが出ると長靴の底に赤土がべっとりついて、足が重くなります。水を入れては練ってを繰り返し、味噌程度の柔らかさにしましょう。趣味千式の石窯の作り方では、粘土の粘度はそこまで高くなくてもかまいません。
石窯の粘土に草を投入!
石窯に使う赤土粘土が完成したら、枯れ草を大量に投入します。枯れ草はチガヤやエノコログサなど、背の高いものが最適。石窯に巻き付けやすく、とても丈夫になります。枯れ草を入れると 、枯れ草が水分を吸ってしまい、粘土がやや固くなってしまいます。再び水を足し、更に練ります。これを繰り返しつつ、ひび割れ防止の砂なども加えたりしながら、たっぷりと枯れ草を巻き込んだ粘土を作り上げます。
枯れ草の他にも、火山灰やもみ殻も混ぜ込みました。おがくずなどを混ぜても、粘土が多くの小さな気泡を含んでいるようになり、石窯の保温力が大変高くなります。
TOKILABOトキラボヤフー店
石窯の粘土の色を変えることもできる!
赤土の色はなかなか美しいものですが、石窯をちょっと白っぽくしたいのであれば、しっくいや石灰を混ぜる方法もあります。石灰は農業用、グラウンドのライン引き用のものでOKです。ただし、石灰を使うと手が荒れ、ひどいときはやけどのような症状になるため、必ずゴム手袋をはめるようにしましょう。
石窯に粘土を貼ろう!
ローボールと耐火レンガを組み上げた石窯の本体に、いよいよ赤土粘土を貼っていきます。まずはローボールの底に空いた穴を、瓦のかけらや植木鉢のかけらなどで蓋をして塞ぎます。最初の粘土はまず、この蓋を覆うところから始めます。
赤土粘土を大きめのおにぎりくらいの大きさにし、「べちゃ」っという感じで蓋の上に置きます。粘土は上から下へ、順に貼っていきます。赤土粘土には長い草を混ぜ込んでいるので、棒状、板状に伸ばしても形が保持できます。これを石窯ドームにあたるローボールの上に置くようにして、次々と重ねていきます。この石窯の作り方では、粘土を重ねれば重ねるほど強くなっていきます。
乾漆に似ている!?
仏像には、麻布や和紙に漆を塗って形を作る「乾漆」という技法があります。草の繊維がたっぷりの粘土を何層も重ねていく作業は、なんとなく乾漆に似ています。乾漆と同じように、粘土を何層も貼り付ける作業を繰り返すことで、自分の好きな形を作ることができます。
「技法」とまで言うにはあまりにも大げさですが、この方法で馬蹄形に組んだ耐火レンガの、ローボールで覆われていない部分の天井を作ってしまいます。
石窯の天井は焼き物で
まず石窯の口の部分の耐火レンガの間に、竹や細い枝などを何本も渡し、
こうしてできた「粘土の天井」は、火を入れた後に炎で焼かれ、焼き物のようになって丈夫になります。小枝は燃えてしまうか、粘土の内部で炭になってしまいます。粘土だけで作った天井でも、十分に粘土を盛って厚みがあれば、鍋を置くことぐらいできる丈夫なものとなります。
ただし粘土で作られているため、何年も耐えられる耐久性があるわけではありません。壊れたらその都度補修すればよいのですが、長期間何度も使う場合は、小枝の代わりに鉄筋などを置くことをお勧めします。
今回の石窯は約1時間で石窯全体を粘土で覆うことができました。赤玉土は5袋を使いました。
この石窯を改造して”コンロ”をつけたバージョンも作りました!その様子はこちらから
完成間近!もう一息です。
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