多機能の石窯を作る①~石窯の扉を作る

多機能の石窯を作る①~石窯の扉を作る

簡単!楽しい!おいしい!石窯を作ろう‼

1万円以内、1日で!石窯の作り方~①耐火レンガと陶器鉢を買う~

 

石釜 
石窯の設計図のイラスト。コンロなどの機能を追加した石窯の断面図はこうなっている(作画:趣味千編集部)

多機能の石窯で遊ぶ

石窯のドーム部分に睡蓮鉢などの焼き物を使う「趣味千式」の石窯の原点となったのは、写真の石窯です。4時間ほどで作ったものですが、草を含んだ粘土の保温力が優れ、大変効率の良い石窯です。大したDIYの技術がなくても誰でも簡単に作れます。
この石窯は石窯の構造(どんな石窯をつくればいいの?~原理、形状、材質の基礎知識~石窯の作り方)でも解説しましたように
 
奥が広いドーム型で口が狭く、熱気が逃げにくい
 
石窯内部は陶器で高温を保ち、粘土層で熱を逃がさない
 
という2点を実現したのに加え、かなり大きな薪も投入できることや、ロケットストーブに似た構造の炉も付いていること、ダッチオーブンも丸ごと入れられるような口の広さを持っていることなど、いくつか特徴があります。これらの石窯をご紹介します。

石窯に二段扉を作る

石釜
鉄板で作った石窯の二段鉄扉。上段だけを閉めれば熱が逃げない。全開すれば大きなダッチオーブンも丸ごと入る(撮影:趣味千編集部)

 石窯の口として、二段の鉄扉を自作しました。鉄板を金切り鋸で切って重ね、穴を開け、鋲を打って二重構造の扉としました。板状の鉄を七輪で熱してハンマーで打ち、扉の開閉部分のヒンジとしました。これも鋲で扉に打ち付け、固定しました。

鉄筋を切断して曲げて取手とし、町の鍛冶屋さんに扉に溶接してもらいました。剪定したサルスベリの枝を被せ、握り手としました。
鉄の加工は金切り鋸と鉄鋼用ドリル、万力があれば、さほど難しいものではありません。また鉄の部品を曲げたり、熱して好きな形に形成する作業も、金床とハンマー、七輪、やっとこがあれば可能です。器用な人はぜひ挑戦してみてください。

石窯を二段扉にした理由

石釜 扉
石窯の鉄扉の枠の図。ベンダーや万力で鉄板を曲げ、鋲でつなぎ合わせて作る。耐火レンガを載せて固定する(作画:趣味千編集部)

 
石窯の口は熱を逃がさないために狭く作られ、扉も熱を逃がさないため設置されます。石窯の口が大きければ熱が逃げてしまいますし、口が小さければ大きな薪や鍋、食材が入りません。
この矛盾を解決するために、今回の石窯の扉を二段扉にしました。扉の開閉で石窯の口の大きさを自由に変えられれば、大きな物も入れられるし、扉を閉めて熱を逃がさないようにもできるという設計です。

↑コンロ付きの石窯は料理のバリエーションを増やしてくれます。

ダッチオーブンが入れられる石窯

石釜 扉
石窯の鉄扉は、二枚の鉄板を合わせて作るが、二重窓のように内部に空間があるため、熱を逃がしにくい。ヒンジは七輪で熱した鉄板をハンマーで打ち、形成した(作画:趣味千編集部)
 
石窯の上下段の扉を全開にすると、大きなダッチオーブンが石窯に丸ごと入れられます。ダッチオーブンに肉やジャガイモ、トマト、タマネギなどをドサッと入れて塩、水ハーブを加え、蓋をして石窯に突っ込み、扉を閉めて放置します。シチューやポトフが簡単に作れます。
ダッチオーブンは蓋の上にも炭を置き、蓋の方からも加熱をしますが、石窯の中では四方から熱が加わるため、蓋の上に炭を置く必要はありません。
 
ちなみに、石窯で燃やしたあとの薪の灰は、菜園の肥料などに使えます。しかし豆炭など、ダッチオーブンでよく使う石炭系の燃料は、水銀やヒ素などの重金属が灰に含まれるものがあるため、灰の捨て方には注意が必要となります。石炭系の燃料は、直接食材を入れて調理する石窯には絶対に入れないようにしましょう。

「丸焼き」が楽しい

多機能型石窯も、基本は石窯ドームを睡蓮鉢などで作る「趣味千式」。鉢の大きさに合わせ、レンガの数を増やせば大型の石窯ができる(撮影:趣味千編集部)

 
口が大きい石窯には、大きな食材を丸ごと入れることができるという魅力があります。鶏を丸一羽入れたり、骨付きの大きなブロック肉を入れたりすることも可能です。大きな鯛や、マグロの頭なども丸ごと石窯に投入できます。
深めの大きなグラタン皿や、食パンの型を入れたり、ドイツパンのような大きなパンを石窯で焼くことも可能です。
この石窯でピザを焼いた様子をYouTubeにUPしました↓
 
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多機能の石窯を作る②~石窯にコンロ機能を持たせる
 
 
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