からすみを作る②天日に干し完成!

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からすみを作る①~世界中で作られるからすみ

 

完成したからすみ。きれいな色で味も香りも良い物となった(撮影:趣味千編集部)

4~5月ごろになると、鮮魚店の店頭などにぷりぷりしたブリの卵が並びます。このブリ卵を使ってからすみを作り、定番のパスタやトルコ料理のタラマを作ってみましょう。

ブリ卵を選ぶ

塩抜きは食塩水で。真水で抜くより塩分が抜きやすい(撮影:趣味千編集部)

ブリ卵はとても安く、旬には1グラム1円程度で売っていることもあります。本来これはしょうゆやみりんで甘辛く炊く料理が向いており、大変美味ですが、からすみにしてもおいしい珍味になります。
ブリ卵はなるべく大きく、黄色っぽいものを選びましょう。大きさは重要です。からすみは塩に漬け、干すので、縮んでしまいます。「大きいなあ」と思ってもできあがると小さくなるので、なるべく大きなものを選びましょう。

黄色っぽいブリ卵を選ぶ

塩抜き、酒漬けが終わったからすみ。いよいよ天日乾燥だ(撮影:趣味千編集部)

色も色々あります。黄色っぽいブリ卵もあれば、やや朱色、橙色がかったものもあります。経験からですが、黄色っぽいブリ卵が、からすみにするのに適していると思います。
朱色っぽいブリ卵は塩漬けにしてもなかなか締まらず、干しても乾燥が遅くなります。遅い上に縮む割合が大きく、同じ大きさでも黄色っぽいブリ卵に比べてずっと小さくなります。
ただし、できあがったからすみの味はそう変わりません。

ブリの卵を下処理する

天気が良い初夏、夏だとどんどん乾燥していく。雨の日は冷蔵庫で一時的に保管する(撮影:趣味千編集部)

からすみの作り方は様々で、それぞれの人が工夫して色々な作り方をしています。何パターンか実験してみましたが、どの方法をとっても基本的にうまくいくようです。
まず最初にブリ卵の処理をします。ブリの卵は薄い膜に包まれており、その周囲を血管が巡っています。この血管から血を抜きます。こうした方が完成したからすみの色が美しくなるからです。
ブリ卵が傷まないよう氷水に漬けながら、針などで血管に穴を空け、血を絞り出していきます。ただしこの作業中に薄い膜を破ると、中から卵が飛び出してしまうため、無理は禁物です。見た目は悪くなるかも知れませんが、目立つ血管の血だけ抜いておきましょう。

ブリ卵を塩に漬ける

日当たりが良く風通しが良い場所で干す。カラスに注意(撮影:趣味千編集部)

次ぎにある程度血を抜いたブリ卵を、塩に漬けて水分を抜いていきます。天然塩がお勧めです。ブリ卵が裏表、しっかり隠れるくらいどっさり塩を入れ、周囲にまんべんなくまぶします。こうすると浸透圧の関係で、ブリ卵から水分が出てきます。塩漬けにしたら冷蔵庫で保存します。
塩漬け後24時間で、かなりの水分が出てきます。この塩水は捨てて、塩が足りなければ足します。これを1週間、繰り返します。腐敗を防ぎおいしいからすみを作るために欠かせない作業です。

塩抜きをする

表面のつやなどに、市販品とは大きな差があるが、いい色だ(撮影:趣味千編集部)

次に塩抜きをします。この時点でブリ卵は既にかなり固くなっています。塩漬けには水分を抜きブリ卵を引き締める重要な役目がありますが、過剰にしょっぱくなる問題があります。余分な塩分を取り除くために、今度は塩抜きをするわけです。
塩抜きには「塩辛すぎる味噌汁」程度の塩分濃度の食塩水を使います。真水だと魚卵の周囲だけが一気にふやけ、中の塩分が抜けていきません。この塩抜きは24時間、冷蔵庫のなかで行います。

からすみを酒、焼酎に漬ける

蕪がないので大根のスライスに載せたからすみ。塩加減もちょうどよかった(撮影:趣味千編集部)

からすみの塩抜きが終わったら、酒や焼酎に浸します。これはからすみに風味を付けるためなので、お好みのアルコールで漬ければ良いでしょう。漬ける時間は3~4時間程度でOK。漬けている間にも少し塩分が抜けます。アルコールは干している間に蒸発して抜けてしまいます。

 

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