川や湖沼の石の上にちょこんといる小さなハゼ科の淡水魚ヨシノボリ。お腹の吸盤で川辺のヨシにくっついている姿から「葦登り」と名付けられました。ヨシノボリの仲間は現在、国内では十数種類が確認されており、○○ヨシノボリという名前がそれぞれあります。単なる「ヨシノボリ」という魚はいません。地方名も「ハゼ」「ドンコ」など、他の魚と同じ名前で混称されたものが多いようです。どのヨシノボリも婚姻色が美しく、小さいながらも縄張りを主張して他魚を追い払うなどけなげでです。普通は釣りの対象ではありませんが、仕掛けを工夫して釣ることも可能です。
目次
ヨシノボリってどんな魚なの?
ヨシノボリは国内に13種類が知られています。しかしそんなに多くの種類に分類されたのは昔の話ではなく、比較的最近のこと。今後も更に分類が進めば、新しく○○ヨシノボリとして別種になっていくかもしれません。ヨシノボリは大きくても5センチから10センチにしかなりません。沿海州から東南アジアまで、ヨシノボリの仲間は広く分布しています。どのヨシノボリも肉食性の強い雑色で、主に水生昆虫やイトミミズ、ヨコエビなどを捕食します。腹にひれが変化した吸盤があり、比較的流れの強い川でも、石などにへばりつくことができます。
ヨシノボリはどこに生息している?
ヨシノボリは川のほかに湖沼でも生息しています。川では堰堤や瀬など、流れの速い場所の石などにくっつき、流下する水生昆虫などを待ち伏せしている姿を見ることができます。しかし池などの止水にも生息しており、岸辺の石積みなどを住み家に、イトミミズなどを捕食しながら暮らしています。川でも湖沼でも、ヨシノボリは石や岩などを縄張りにし、他魚の進入を阻みます。石や岩はヨシノボリの産卵場所でもあります。ヨシノボリは愛情深く、卵が孵化するまでつきっきりで見守る習性があります。
日本のヨシノボリたちをご紹介!
【カワヨシノボリ】
清流でよく見られるヨシノボリです。他のヨシノボリがいったん孵化後に海に行き、再び川を遡上してくるのに対し、カワヨシノボリは一生を川で過ごします。
【オオヨシノボリ】
オオヨシノボリは名前の通り、12センチにも成長する大型 のヨシノボリです。小さな川にはあまりおらず、一級河川のような大きな川に生息しています。
【クロヨシノボリ】
体色が黒っぽいヨシノボリです。小さな川の上、中流域にいることが多く、稚魚がいったん海に下って成長します。しかしダムなどで陸封された個体もいます。
【ビワヨシノボリ】
琵琶湖固有のヨシノボリです。琵琶湖水系だけに生息し、非常に小型。成魚でも5センチ足らずです。
【トウヨシノボリ】
最も分布域が広いヨシノボリです。「トウ」とは「橙(だいだい)」の意味で、尾びれが美しいオレンジ色をしています。
【アオバラヨシノボリ】
腹部がメタリックな青色をした、とても美しいヨシノボリです。沖縄のみにいますが、開発で絶滅が危惧されています 。
ヨシノボリは極小仕掛けで釣れ!
ヨシノボリは小さな魚ですが、ハゼ科なので体の割にはとても大きな口をしています。自分と同じ長さほどのミミズなども果敢に飲み込もうとするほど貪食なので、極小の仕掛けで臨めば釣ることができます。オイカワやカワムツなどを釣っているときに、驚くほど小さなヨシノボリが口よりも大きな針にかかってくることがあります。
ヨシノボリ釣りのタックル
ヨシノボリ釣りのタックルは2メートルほどの短い竿に0.3号ほどの道糸、1号の袖針と、何もかも小さな道具となります。道糸は通常、竿とほぼ同じ長さにしますが、ヨシノボリ釣りの場合はずっと短く道糸をとり、ポイントに上から仕掛けを垂らすような釣り方となります。 ヨシノボリは警戒心よりも食い気が勝つ魚なので、ハリスも短くてOK。ガン玉やよりもどしを餌と間違えて食いつくほどなので、餌を垂らしたらすぐに食いついてきます。食べ損ねても何度も食いついてくることもあります。ヨシノボリは雑食なので、餌はミミズやアカムシなどの他に、細い麺や金魚の餌を水でふやかしたものなどでも釣れます。
ヨシノボリの捕り方
ヨシノボリは釣りよりも網で捕った方が簡単です。淡水魚の捕獲によく使われる、ビンドウやセルビンなどにはあまり入ってくれません。ヨシノボリを捕獲するのに最も適しているのは、「さで網」という網です。さで網はかまぼこの断面のような形をしており、川底にぴったりくっつけることができます。1人がさで網を川底に 設置し、もう一人が竹ぼうきなどで川底を掃いて追い込むと、驚いたヨシノボリが網に飛び込んできます。さで網は白いネットより、黒いネットの方が魚が避けないようです。たくさん採れますが、飼育するために持ち帰るのは最小限にしましょう。
バルキーノという釣り道具を知っていますか?
バルキーノで川の中を散歩してみました。岩にくっついたヨシノボリもしばしば出てきます。ご視聴、チャンネル登録をよろしくお願いいたします。
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