水中撮影の装置①~安価な小型カメラを活用する

水中撮影の装置①~安価な小型カメラを活用する

 

100円ショップで揃う材料だけで作った撮影装置「しんかい」。見た目はボロいが役に立つ(撮影:趣味千編集部)

高性能で安価なカメラ

ボタン電池数個で光るキーホルダー型ライト。小さくても結構明るい(撮影:趣味千編集部)

一昔前は水中撮影をするとなると、大変な装備が必要でした。カメラを防水するためのハウジングや、防水の水中ライトなど、カメラ本体に劣らぬほど高価な機器をそろえねばなりませんでした。
しかし今は高性能で小型の外国製のカメラが安価で多数発売されています。「アクションカメラ」などの名称で、大きさはポケットに入るサイズ。多少癖のある機種ももちろんありますが、十分に役に立つ物です。
「GoPro」という小型のカメラを模した物のようですが、4Kで撮影できたり、30メートルほどの防水が可能だったりします。数万円する5PROと違って価格も1万円前後。持っていて損は無いでしょう。

使い道の色々

水に揺れるヒメバイカモ。上から見ても美しいが、水中で見るともっと美しくなる(撮影:趣味千編集部)

小さく軽量なカメラなので、自撮り棒に付けて持ち歩く観光客などの姿をよく見ることがあります。犬の散歩の際に首輪に付けたり、凧やドローンに付け、空撮することも可能でしょう。趣味千では「バルキーノ」に設置し、ダイナミックな波乗り映像を撮っています(バルキーノで遊ぼう♪)。
地面に置いて撮る地上すれすれの撮影も地面に置くだけで撮れ、はいつくばる必要はありません。自撮り棒に付ければ水道管やマンホールの中や、雨樋や屋根裏、床下の点検などにも活用できます。狭い、汚い、高いなどの場所を確認するのに、とても重宝します。
だいたいの機種は30メートルの防水が可能なケースが付いている点も便利です。近所の防波堤の水中、用水路や池、ビオトープなどの水中も簡単に撮影できます。

このカメラは「趣味千」でも大活躍!

バルキーノで夏の清流下り オヤニラミやオイカワと遊ぶ

湧水群の水中

屋外で熱帯魚を飼おう⑤~水中の様子

水中撮影の難点

カメラのアタッチメントやライト、取っ手をセロハンで固定し、セメントで固定する作り方だ。誰でも簡単にできます(撮影:趣味千編集部)

30メートル防水が施されている小型カメラですが、水中を撮るための装置があるわけではありません。自撮り棒を突っ込んで撮るにしても、30メートルもの自撮り棒などありませんので、性能を十分に活かせません。
かといって水中撮影をするためにいちいち自分が水中に入るのは面倒ですし、潜水免許を持っていたり、ダイビングの経験が豊富で無い限り、水中に潜るのは危険も伴います。
小型カメラには、キャップのつばに付けたり、自転車のハンドルに付けたりできるアタッチメントが付属していますが、水中を撮影するためのアタッチメントはありません。

「しんかい30」大活躍の映像です。BGVにゆったりご覧ください。↓

釣り用鉛で水中カメラを沈めるがうまくいかない

取っ手は園芸用被覆番線を曲げて作る。セメントから抜けないよう、両端は複雑に曲げておこう(撮影:趣味千編集部)

最初に水中撮影をしようと考えたときは、小型カメラのケース本体に重りを付けてロープに結び、沈める戦法をとりました。ケースの蓋を固定する部品の一部に穴を開け、釣り用の鉛をひもで結びつけるという単純な物です。海に行ったときに思いつきで、その場で作りました。
ケースの取り付け用の穴にロープを通し、ケースの蓋に重りを付けるため、天地が逆になります。これはまああとで再生の際に180度回転すれば良いのですが、別の問題がありました。それは重りは沈む一方、浮力のあるケースが浮くため、潮流があるとフラフラと動き、映像が揺れ動くというものです。水中での制御が非常に困難であるという点が実用的ではありませんでした。
そこで、しっかりした土台にアタッチメントを取り付け、カメラを設置するものを作りました。名付けて「しんかい30」。作り方を次回紹介します。

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水中撮影の装置②~200円で作る

 

映像に出てくる魚や水草の解説をしたショートバージョンはこちら↓

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