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バルキーノの「塩抜き」
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小さい艇ながら大海に乗り出すバルキーノ「ガットマローネ号」。 巻き波を突っ切り、翻弄されながらもうねりを乗り切り、 沖へ沖へ向かう勇敢な姿には、いつも健気さを感じてしまいます。
そうして海に出て、セイゴやコチ、ヒラメ、 キスなどを持って帰ってくれるのですから、バルキーノ「 ガットマローネ号」には「釣具」を上回る情が湧いてしまいます。
感謝の意を込めて、 ガットマローネ号を淡水で航行させてみることにしました。 初夏の清流を流し、 付着したり染みこんだりした塩を抜く計画です。 人間がたまに温泉に入るような感覚です。
カメラを付けて川下り
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初夏の川は、産卵を控えた魚や、 今年生まれた稚魚がたくさん泳いでいます。石には苔が生え、 餌となる水生昆虫も多くなってきます。
ガットマローネ号の小甲板に設けたカメラ座に小型の水中カメラを 取り付け、流してみることにします。川幅が小さく、 水深も浅いので、引っ張って沖に出すのではなく、 流れに任せてゆっくりと流し、 水中を行き交う淡水魚たちの姿を撮影する試みです。今回は水中カメラによる動画の切り出しを写真として使っているため、画質が荒くなっています。
大淵は濁り気味
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最初にやや上流の、比較的大きな淵で航行してみました。 田植えが盛んなシーズンで、 代かきの際に出た水が流れ込んでいるせいもあり、 水中の視界はやや不良。 しかし5センチから10センチほどのオイカワ、カワムツが、 たくさん泳いでいます。
オイカワは銀色、 カワムツは体側にラインが入っているので見分けられます。 よく見るとオイカワ、 カワムツはお腹がパンパンに膨らんでいるものも。 たぶん産卵が近いのでしょう。
ウナギの寝床を訪問
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やや下流に下り、ウナギの寝床を訪問しました。ここはかつて、 70センチくらいの大きなウナギを何本か釣ったポイントです。 日中でも石の隙間などにウナギが潜んでいる姿が見られるかも知れ ないと期待。
ここには何の目的かわかりませんが、何本かパイプがあります。 このパイプの中にはカニやウナギがいることもあるので、 ゆっくりと流しましたが、姿はありませんでした。
透明な下流へ
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バルキーノを更に下流へ流しました。水が透明になり、 魚がよく見えます。流星群のように、 オイカワやカワムツの群れが流れていきます。 太陽光が強くなると、水中の魚はとても美しいものです。
大きめの石にはヨシノボリが張り付いています。 トウヨシノボリと思われます。これから石の下に産卵し、 卵を守るのでしょう。時々、 数匹のムギツクがカメラを横切ります。 くっきりと黒いラインが入ったおしゃれな魚体で、「笛吹き」 の異名を持つおちょぼ口。スイスイと軽やかに泳いでいきます。
オヤニラミ登場
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雨が少なく川の水深が浅いため、バルキーノ「ガットマローネ号」 はしばしば座礁。ちょうど魚影が多い場所で座礁したため、 そのまま放置しました。しばらくするとオヤニラミが登場。 5センチくらいでしょうか、カメラのピントが合ってませんが、 美しい縞模様と鰓蓋の緑色のマークが確認できます。 好奇心旺盛で、カメラにも近づいてきました。
面白い習性が確認できます。 水流があまりない水槽などで飼育しているとわからないのですが、 オヤニラミは捕食者として警戒されないように、 河川では漂う木の葉のように流れて泳ぎます。 アマゾン川の熱帯魚「コノハウオ(リーフフィッシュ)」 になんとなく似た動きです。
赤ちゃんオヤニラミ
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更にしばらくすると、とても小さなオヤニラミが登場しました。 1円玉くらいの大きさだと思われます。 たぶん今年生まれた稚魚でしょう。
小さいのに動きは完全にオヤニラミです。 小石に紛れてそーっと水底付近を移動し、 ビー玉ほどの小石の影にぴったりと寄り添うように隠れました。 ここで口に入るサイズの水生昆虫やエビなどを待つつもりなのでし ょう。
気持ちの良い夏の清流。夏の海で本格的に活躍する前に、 ガットマローネ号は命の洗濯ができたんじゃないかと思います。
今回のバルキーノ「ガットマローネ号」による川下りの水中映像はYouTubeでアップしています。ご視聴、チャンネル登録よろしくお願いいたします。
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