ニワトリは飼育が難しくはありません。飼い方は、犬や猫、 金魚よりずっと簡単かもしれません。 鳥類は恐竜の子孫といいますが、ニワトリもとても丈夫で元気。 餌もほとんど選り好みをせず、何でも食べてしまいます。初心者でもすぐにニワトリを飼うことができます。しかもそれでいて、毎日、新鮮な卵を産んでくれるのですから、 これほどありがたい家畜はないでしょう。
日本の卵は「物価の優等生」 と言われるほど価格が安く安定しています。 おいしい卵もたくさん売られています。 しかし産みたてのまだ暖かい卵を白飯に割ってしょうゆをかけた卵 掛けご飯は、ニワトリを飼っていない限り味わえない格別の味です。 皆さんもニワトリを飼ってみてはいかがでしょう。
鳴き声がうるさい?
「コケコッコー」というニワトリの鳴き声は「東天紅(とう・ てん・こう)」と言っているように聞こえることから、 ニワトリには昔から、日の出を告げる役目がありました。 確かにニワトリは、夜明けごろに見事な声で高らかに鳴きますが、 これは雄鳥の話。雌鳥は「クーックック」とか「コーッコッココ」 という程度の、小さな鳴き声しか出しません。 想像しているような騒々しさは、実はありません。
卵を産む瞬間だけ鳴く
雌鳥が唯一大きな声で鳴くのは、卵を産むときの数分間だけです。 このときばかりは「コケーッコッコ、コケーッコッコ」 と連続して鳴きますが、 卵を産み終わるとすぐにおとなしくなります。
「鳥目」といいますが事実で、ニワトリは日が暮れるとさっさと寝てしまいます。よほどぐっすり眠るのか、 全く静かです。地域・ご近所の事情もあるでしょうが、 サッシが高性能となり密閉性の高い現代の住宅では、 隣家との距離がある程度あれば、ニワトリの飼育は可能でしょう。
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養鶏は臭い?
ニワトリ小屋は臭いというイメージもあるかもしれません。 臭いか臭くないか、これは飼い方の問題です。ニワトリ小屋の構造によってはほとんど臭いがない飼い方もできます。
コンクリートの密閉された飼育小屋で飼うと、 においが発生します。しかし土の上で自然に近い状態で飼えば、 ほとんどにおうことはありません。 ニワトリは餌を探すために地面をひっかく行為を繰り返します。 フンや枯れ草、 土が混ざって耕したようになるとそこに微生物が発生して発酵に近 い状態となり、不思議なほどにおいが消えてしまいます。
ニワトリは本能で自分を守る術が分かるようです
餌やりが大変?
ニワトリは何でも食べますし、粗食にも耐えます。 戦争中にはニワトリに与える餌が不足したため、 雑草を煮て与える「草養鶏」という飼い方が研究されました。そうした粗末な餌でも、ニワトリはなんとか飼えるのです。雑草でも雑穀でも、魚のアラでもなんでも食べてしまいます。
「野菜の皮を厚くむいた」「食べ物を腐らせてしまった」「 たくさん作りすぎて食べられない」など、 残飯を増やすことになったら、誰でも心が痛むと思いますが、 ニワトリは大喜びです。ニワトリを飼うと、 家から生ゴミがほとんど出なくなります。
ニワトリに与えてはいけないものは?
何でも食べるニワトリですが、与えてはいけないものもあります。 まずニワトリの骨、卵の殻は、共食いとなるので与えるのをやめましょう。
他にも、コーヒーかす、ショウガ、アボカド、ニンニク、 ネギ類などは与えるのをやめた方が良い、といわれています。 しかしどの程度、悪影響があるかは定かではありません。 庭先にニワトリを放すと、 家庭菜園のネギを食い散らしてケロッとしています。「 積極的に与えない方が良いもの」 という程度の注意で良いでしょう。
ニワトリの種類
ニワトリも元々は野性の生き物で、 飼いならされて現在の姿になりました。 起源ははっきりわかっていなくて、元々は「赤色野鶏(セキショクヤケイ)」 という中国南部や東南アジアのジャングルに生息するキジ科の鳥が 交雑を繰り返し、現在のニワトリになったと言われています。
ニワトリの品種は多く、国内だけでも50種類以上います。世界では数百種類がいると思われます。
日本ではチャボや軍鶏(シャモ)、 各地で育てられてきた地鶏がよく知られています。 海外ではレグホンやコーチンなどの品種が有名です。
どんなニワトリを飼えばいいの?
様々な特徴を持つニワトリがいますが、 家庭で飼育するなら商用種とされる、 ブロイラーやボリスブラウンが適しています。 両方とも入手もしやすく、丈夫で飼育もしやすいので、 初心者からベテランまで、おすすめできます。よく人になつくので、ペットとしても高得点です。
チャボなどはとてもかわいらしいし、 軍鶏などはとても美しく格好いいので飼ってみたくなりますが、 商用鶏で十分に経験を積んでからチャレンジしましょう。
さぁ、ニワトリを買いに行ってみましょう!
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