ニワトリの平飼いは寄生虫に強い?~ニワトリの飼い方

ニワトリの平飼いは寄生虫に強い?~ニワトリの飼い方

ニワトリを飼って新鮮な卵を食べよう!ニワトリの飼い方

 

石窯の補修用に取っておいた、赤土と枯れ草を混ぜた粘土に2羽が突然突入してしまう(撮影:趣味千編集部)

 

ニワトリの砂浴び

ニワトリRUNを作って自由に散歩できるようなニワトリの飼い方をしていると、ニワトリがとても奇妙な行動を取るのを目にすることがあります。これらはニワトリの習性によるものなのですが、ニワトリの飼育経験が無い人が初めて見たときは「具合が悪いのではないか」と驚くかも知れません。
主に見られるニワトリの謎の行動として「砂浴び」があります。砂浴びとは文字どおり、さらさらした乾燥した砂や土を見つけると座り込み、羽根をばたつかせて自分の背中や翼の上に大量に砂を掛ける行為です。
これは寄生虫を防除するニワトリの習性なのですが、ニワトリが地面に埋まっているように見えることから、初めて見る人にはちょっとした驚きとなります。「ニワトリが穴にはまって出られなくなっている!」と血相を抱えて知らせに来る子どももいます。
ニワトリは泥に突っ込むこともあります。アンジーとソフィーも石窯用に保存していた粘土(⇒1万円以内、1日で!石窯の作り方~①耐火レンガと陶器鉢を買う~)に突っ込みました。これはなんの意味があるのか、よくわかりません。泥の中の何かを食べているようにも見えますが、とにかくわざわざ汚れるために泥に入っていきます。泥浴びも防虫対策としてニワトリに内蔵されているプログラムなのかもしれません。

ニワトリの寄生虫

まだ水も冷たいのに脚を泥だらけにしながら粘土を引っ掻き回し、時々食べる(撮影:趣味千編集部)
 
ニワトリには「ワクモ」というダニが寄生することがあります。ワクモは1ミリ程度で、ニワトリの体から血を吸います。大量に寄生された場合、ニワトリは貧血を起こします。
同じような寄生虫に、「トリサシダニ」がいます。トリサシダニもワクモ同様にニワトリの体にとりつき、血を吸います。
ワクモもトリサシダニも、ニワトリだけではなく、人間の血も吸います。発生すると大変やっかいなことになり、駆除の消毒などに追われることになります。養鶏場にとって、大きな悩みになっているようです。

20年間寄生虫が発生していない

ぐちゃぐちゃと粘土を掻き回す2羽。泥んこ遊びなのか、寄生虫を落とすための本能なのかは不明(撮影:趣味千編集部)
 
しかし、平飼いで代々、ニワトリを20年間飼っていますが、これまでに全くワクモもトリサシダニも発生したことがありません。なぜだかはっきりした理由はわかりません。
ただ、考えられることはいくつかあります。それは狭いケージに入れられたニワトリと違い、先述したように、ニワトリが自由に砂浴びをしたりすることが、かなり防虫効果を生み出しているのではないか、ということです。
平飼いのニワトリの方が草むらなどを駆け回るので、完全消毒された鶏舎に比べて、ダニなどに遭遇する機会は多いはずですが、そのかわりニワトリが本能的に持つ防虫機能が100%に発揮されています。健康なニワトリが砂浴びなどがいつでもできる状態であれば、こうした寄生虫はつきにくいのかもしれません。

火山灰が有効?

2羽が撹拌した枯れ草と粘土(撮影:趣味千編集部)
 
砂浴びの砂にも、ちょっとした工夫があります。砂が火山灰なのです。砂浴びの砂はどんな砂でも構わないのですが、海や川で勝手に採取するわけにはいきません。ホームセンターなどで売られているものを買うこともできましたが、しかしちょうど鹿児島の桜島に行く機会があり、大量の灰が「克灰袋」という黄色い袋に入れて捨てられているのを目にしたため、いくつも譲り受けて持って帰ったのです。※鹿児島では灰は行政が各戸に配布する「克灰袋」に入れてゴミと同じように出し、行政が回収して回る。側溝が火山灰で埋まるのを防ぐための仕組み。
火山灰には硫黄などの成分があります。この硫黄がワクモやトリサシダニを寄せ付けないのではないかと、想像しています。火山灰を与えると、ニワトリたちは狂喜してまみれ、気持ちよさそうに埋まります。
雨が降って火山灰が湿気ると、かすかに硫黄の香りがします。硫黄などのこうした成分がワクモやトリサシダニを寄せ付けないかどうかは、科学的な検証をしたわけではありませんのではっきりしませんが、ご参考までに。

ニワトリ小屋の防虫

顔まで泥だらけ。美人が台無し。泥パックの一種か(撮影:趣味千編集部)
 
ニワトリ小屋に何らかの害虫が発生することは、平飼いではあまりありませんが、もし気になるなら時々、燻蒸しましょう。台風対策の項(放し飼いのニワトリは逃げる?ニワトリ小屋は低い方がおすすめ)でも書きましたが、こういうときにラティスを使ったコンパクトな趣味千式ニワトリ小屋は、すっぽり覆えるので便利です。
段ボール箱を分解して、屋根を外したニワトリ小屋全体を覆い、粘着テープで隙間を塞ぎます。そうして空気を遮った上で、2~3個蚊取り線香を一度に焚きます。燻蒸といいますが、強い殺虫剤などを使わなくても、蚊取り線香でかなり効果があります。
蚊取り線香にも抵抗がある人は、空き缶などに火が付いた炭を入れ、杉の葉などを入れて燻すと良いでしょう。杉の葉はかつて狼煙に使われたほど濃い煙を出すものですので、害虫をいぶし出すのには十分です。真っ白い濃い煙が段ボールの隙間から流れ出てくるほどに燻します。
柱の継ぎ目や木材のひびの隙間など、煙が届きにくい場所には、熱湯をかけると良いでしょう。やかんにお湯を沸かし、たっぷりと隙間に注ぎましょう。ワクモはこうした隙間に隠れる習性があるので、熱湯攻撃は大変効果的です。
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