はじまりはここから。雨どいを使ってベランダでメダカを飼いました。
狭いベランダを有効に使うために、狭いベランダでも小川が欲しいという願いを叶えるために、プランターハンガーと雨どいを組み合わせて作った「雨どい小川」。多くのメダカがここで繁殖しました。この「雨どい小川」に使用した雨どいには、もう一つの大きな利点があります。それは接続して延伸できるということ。この性能を利用し、大型のビオトープを作ってみようというのが今回の趣旨です。
雨どいの特性
ここでもう一度雨どいの特性を整理しましょう。まず使用している雨どいは工場や学校のような大型の施設に用いられる「角どい」という製品で、断面は弧ではなく、やや広がった「コ」の字になっています。
材質は塩ビで、そもそも直射日光や風雨に数十年間さらされる想定で設計されているため、相当な耐久性を持っています。紫外線に強いので、かなりの時間が経過しても、そうそう劣化する心配がありません。
雨どいは延伸できる
雨どいは建物の周辺に巡らすように設置されるため、90度に曲げることや、つなげて延伸することが出来るよう、様々な「継手」という部品が用意されています。
この継手を利用すれば、回遊式の水域を作ることが出来ます。右へ行って行き止まり、左へ行って行き止まりという一直線の水域と違い、メダカたちはぐるぐると何周でも、好きなだけ回り続けることが出来ます。
継手の種類
継手には、主に3種類あります。一つはこれまでにも使ってきた「止め」(止まり)で、雨どいの両端を塞ぐものです。
もう一つは雨どい同士をつなぎ、延伸するのに用いるのに使う継手。そしてもう一つは雨どいを直角に曲げる「曲がり」などと呼ばれる継手です。
T字、十字に分岐するような特殊な継手もみたことがあるのですが、誰かが加工したものかメーカーが作ったものかわかりませんでした。いずれも「止め」と同様、塩ビ線用の接着剤でくっつけて使います。
スペースに合わせて組み立てられる
雨どいをパイプ用ののこぎりで切断して継手を組み合わせれば、設置したいスペースに合わせて、雨どいの小川を作ることが出来ます。家の犬走りに沿わせても良いですし、塀の角に沿って設置することもできます。
今回設計する屋上の場合は、室外機や発電機、変圧器などの機器を避けながら、縫うように雨どい小川を設置することも出来ます。
回遊式は水が循環する
水を循環させる場合は、ポンプで水流を起こす必要がありますが、雨どいをぐるっと一周させた場合、ある程度ですが風の力で水が勝手に循環します。海にあれだけの波を起こすほどの風なので、雨どい小川であっても水を動かし、その力は結構なものです。
風の吹く日は、産まれたばかりのメダカの稚魚が風によって流れる水流に逆らって、懸命に泳いでいるかわいい姿が見られます。