②ビオトープの設計をする

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③ビオトープの防水、工法の選び方

 

ビオトープ・ビオガーデンを造る前に、思いっきり想像力を膨らませて思う存分完成した庭を描いてみよう(作画:趣味千編集部)
 
ビオガーデンやビオトープを造る前に、簡単な設計図を書きましょう。ケント紙などの適当な紙に鉛筆で植わっている植物を○などの記号で描き、色を塗っていていくだけの、適当なスケッチで構いません。
機械設計ではありませんので、スケッチはフリーハンドで構いません。ケント紙や画用紙に鉛筆で下書きをし、水彩絵の具やアクリル絵の具で塗っていくだけでOKです。ビオトープのイメージが、製作者に湧けばいいのです。
建設予定地や敷地の形がうまくつかめない場合は、Googleマップを使うと便利です。Googleマップで建設予定地の航空写真を見て、敷地がどんな形か、どんな植物が植わっているか、確認しましょう。

流れのあるビオトープ・ビオガーデンの設計

洪水に洗われた根が剥き出しのヤナギ。小さな木陰でも、エビや稚魚の隠れ家となっている。ビオトープで再現にチャレンジしてみたい(撮影:趣味千編集部)

 
池や水たまり、小川などの水域を造ると、ビオトープやビオガーデンの生態系は一気に豊かになります。小さな水域であっても、トンボや水生昆虫、カエルなどが棲み着くようになり、とてもにぎやかになります。
今回は、元々ニシキゴイが泳いでいた小さな池がある古い日本庭園の、となりにある空き地っぽい庭に小川を通し、水がポンプで循環するようなビオトープを造ってみます。
池を水の最終到達点とし、小川の水源から湧いたた水が下流に流れ、池に注ぐというイメージで設計してみます。池と小川を直結させたビオトープにしたいところですが、工事が大がかりになりすぎることを考え、小川の最下流と池は地下に埋めたパイプで接続することにします。同じく、濾過槽で濾過された水は、小川の上流でわき水となって出てくるような設計とします。
容量220リットルのプラ舟で稲作をしてみました。

ビオトープ・ビオガーデンの生態系を豊かにするには?

ビオトープの設計図。絵の具で適当に色を塗る。グーグルマップの航空写真なども活用しよう(撮影:趣味千編集部)
 
ビオトープやビオガーデンの水域を豊かにするには、変化が必要です。水深や水流の速さ、水温などに変化をつけると、そこに生息する生物相が変わってきます。静かで浅い沼だと、シオカラトンボやイトトンボのヤゴやツチガエル、アマガエルなどのオタマジャクシ、ドジョウやメダカには良い環境となりますが、オイカワやカワムツなどの上、中流域に生息する淡水魚などは生息できません。また浅すぎると淡水魚がサギなどの鳥類に簡単に捕食されてしまいます。
流れのあるビオトープやビオガーデンを造るのであれば、止水域や急流域、淵や瀬を人工的に造ってみましょう。

今回の設計

瀬や淵、石の大小、植生など、自然の川は変化に富んでいる(撮影:趣味千編集部)
 
というわけで今回のビオトープは、タカハヤやカワムツなどが生息する上流、オイカワやムギツク、ヨシノボリなどが生息する中流、フナやカワムツが生息する下流という大まかなイメージで、庭の縁に沿うようにカーブする小川を設計してみました。池も完全な止水では無く、中級河川の淵程度のゆっくりした流れがあるよう、水流をコントロールし、カマツカやオヤニラミが自然繁殖できるような環境を目指したいと思います。
イメージ通りのビオトープ・ビオガーデンができるかは、造ってみるまで分かりません・・・(作画:趣味千編集部)

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