新聞を薪にする~ペーパーログ作り

新聞を薪にする~ペーパーログ作り

ペーパーログを作る過程はYouTubeにもアップしています。この記事の最下段で見られます。

 

新聞紙で作った「薪」ペーパーログ。簡単に作れて経済的(撮影:趣味千編集部)

新聞を燃料として見てみる

毎朝ご家庭に届く新聞を使って、簡単に薪を作ることができます。一言で言うと新聞を溶かして固形にし、乾燥させるという簡単なものなのですが、これは「ペーパーログ」といって、海外発祥のアイデアのようです。ペーパーログを作るための専用の道具、ペーパーログメーカーも販売されています。新聞薪、ペーパーログはどう作ってどんな風に燃えるのか、今回はその道具を使い、ペーパーログを作って実際に燃焼させる過程をリポートします。

必要な新聞紙の量

重い重い新聞紙の束。あっという間に溜まる(撮影:趣味千編集部)

今回使う道具でペーパーログを作ると、できあがったものは大きいレンガぐらいの大きさになります。この大きさのペーパーログを作るのに必要な新聞紙の目安は、一般紙で2~3日分です。タブロイド、やたらと薄い新聞は、数日分をためなければ一つのペーパーログを作ることはできません。
広告やチラシのようなツルツルした紙は使えませんので、そうしたものはどけておきます。やたらとカラーの多い紙面も、やめておいたほうがいいでしょう。一方、落ち葉やおがくず、かんなくずなどは混ぜても大丈夫ですし、枯れ草なども一緒に混ぜて平気なので、かさが足りないときは増量材として加えてもらって結構です。

①新聞紙を破って溶かす

新聞紙を適当な大きさに破り水に浸し溶かす(撮影:趣味千編集部)

ペーパーログは一度に作った方が効率が良いので、作業場に余裕があるなら1カ月分くらいの新聞を準備して初めても良いかも知れません。まず新聞紙をビリビリ破ります。増量材のおがくずや落ち葉なども準備したら、それらをたらいやバケツに入れ、水を注ぎます。水の量は「ひたひた」よりちょっと少ないくらいで結構です。
新聞紙がすっかり水に浸ったら、混ぜて溶かします。トロ舟、プラ舟のような頑丈な容器なら、長靴をはいてツイストのような動きをすると、あっという間にドロドロになります。大量に作るならペンキを攪拌するミキサーを使えばいいでしょう。少量ならバケツの中で手で混ぜるだけでOKです。

②ドロドロ新聞紙をペーパーログ器に入れ型にはめる

どろどろの新聞をペーパーログ器に詰める(撮影:趣味千編集部)

ドロドロになった新聞紙を、ペーパーログ器に入れます。ペーパーログ器には穴が開いていて、目の粗いザルのようになっています。てんこ盛りになるほど溶けた新聞紙を入れ、軽く手で押し込んでから、「ドロドロ」を押しつぶすための金具を乗せます。
ペーパーログ器は両手でバーを押すと、てこの原理で金具が押し込まれるようになっています。ゆっくりと押せばじわっと水が出てきます。固くなったな、と思ったらそこでやめてOK。手で持って形が崩れない程度であれば、大丈夫です。

③ペーパーログを乾燥させる

てこの原理でギューっと水を絞り出す(撮影:趣味千編集部)

濡れたペーパーログは、日当たりの良い場所に置いて乾燥させましょう。置く場所は家の周りの犬走りなど、邪魔にならないところであればどこでも構いません。
もし乾燥を急がないのであれば、半年でも一年でも放置で構いません。雨に濡れても、乾けば全く燃焼に問題ありません。夏なら猛暑日にでも、冬なら乾燥注意報が出るようなカラカラの日に取り込み、ゴミ袋や段ボール箱に収納しておけば、ずっと保存できます。

ペーパーログ一個で飯盒飯を炊く

取り出したペーパーログ(撮影:趣味千編集部)

こうしてできたペーパーログは、着火剤として非常に有効です。ライターで端の方に火を付けるとすぐに火がつき、じわじわと燃え続けます。炭や薪などの着火に悩んでいる人は、ペーパーログ一つで十分に火を起こすことができます。
上手に火を回すようにかまどを組めば、ペーパーログ1個で飯盒飯を炊くことも可能です。燃料が少ないとき、飯盒に野菜や肉、キノコ、コメを全部入れてしょうゆを一回ししたものを準備し、ペーパーログで飯盒炊さんをすれば、炊き込みごはんができます。
ペーパーログは灯油のように劣化したりしないので、防災拠点などに、リサイクルを兼ねた燃料として備蓄しておくと、いざというときに大変役に立ちます。

新聞紙のインク

ペーパーログは日当たりの良い場所で十分に乾燥させよう(撮影:趣味千編集部)

ペーパーログを作るための新聞紙について、複数の新聞社にインク、紙について調査をしました。某新聞社の新聞紙はインクが大豆由来で、インク自体が食品衛生法にも適合するほどのものでした。そうした新聞紙で作ったペーパーログは、大豆とパルプを燃やしているようなものなので、燃焼後の灰は畑やプランターに撒き、肥料とすることができます。ペーパーログを作る前に、紙とインクを新聞社に問い合わせてみましょう。はっきり答えない、よくわからない回答しかしない新聞社の新聞は、健康のために使わないほうが賢明でしょう。

ペーパーログの使い方

よく乾燥したペーパーログは、一旦火が付けば消えずにじわじわ燃え広がっていく(撮影:趣味千編集部)

ペーパーログは新聞紙なので、燃やすとやや紙のにおいがします。新聞社によってずいぶん違うので一概には言えませんが、焼肉などの直火料理をする際には、いったん燃やしてみる実験をした方が良いです。
着火剤としては市販の着火剤と同程度に優秀です。排煙が外部となる薪ストーブでも使えます。じわじわと燃えるため、杉などの寿命の短い薪よりは、条件によっては燃え方が優れています。

ペーパーログ器の自作

薪にもすぐ燃え移るので、点火剤としても優秀(撮影:趣味千編集部)

ペーパーログ器は便利ですが、塩ビパイプなどを使って自作することも可能です。
作り方は簡単。塩ビパイプと、その径に近い棒だけ。塩ビパイプにドロドロの新聞紙を詰め、棒で突き固めていくだけです。ところてんのように突き出してほったらかして乾燥させておけば、円筒形のペーパーログができます。燃え方は当然ながら、ペーパーログ器で作ったものと差はありません。キャンプに忍ばせて着火剤にして良し、薪ストーブで燃してよし、何かと使えます。ロケットストーブ(⇒ロケットストーブで遊ぼう)の燃料にしてもOKで、音を立ててすさまじい燃焼をしてくれます。

 

ペーパーログは簡単に作れます。動画はこちら↓

ウサギのフンを混ぜても新聞薪は作れます。携帯用ストーブの燃料に使っています↓

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