自作ランタンで優しい夜を
100円ショップで手に入る材料を使って、簡単に提灯やランタンを作ることができます。ロウソクの明かりが照らす範囲は広くは無く、電気が作るような明るさはありませんが、温かな明かりは夜の雰囲気を壊すこと無く、ゆらぐ炎は不思議なほど、心を静かに落ち着かせ、癒やしてくれます。
キャンプやバーベキューなどの野外活動のほか、夜桜や月見などの宴にも、提灯やランタンは興を添えます。静かな夜、美しい闇夜を、自作の提灯、ランタンで楽しんでみてはいかがでしょう。
火の明かりの歴史
電気が行き渡るまでの明かりは、火を燃やすことで得られる光でした。野外ではたき火やかがり火、松明など。室内では菜種などを皿の上で燃やす灯明や、ロウソクが照明として使われてきました。明治以降はランプが広く普及、やがて電気が取って代わります。
電気の明かりは明るいだけで無く、火事になる心配も少なく、点火や消火などの作業も無いことから、都合良く使えます。防水の電灯なら、雨による消火の心配もありません。便利さで言えば圧倒的に電気の明かりが有利ですが、火の明かりは電気には無い静寂を与えてくれます。
キャンプは月、星明かりと闇を楽しむ
火事という最大の懸念がある火を使った明かりは、室内で使うのは危険を伴います。しかし火を使いやすいキャンプなどの野外活動を楽しむなら、テントの外ならば、自作のランタンや提灯が楽しめます。ロウソクの明かり自体に、眺め、楽しむ魅力があります。
キャンプ用のランタンはLEDの発達で非常に高性能化し、直視出来ないほど明るいランタンも販売されています。こうしたものは大変便利で安全なものですが、せっかくの闇を消し去るような一面もあります。他にキャンパーがいるような場合は、必要な作業が終わったら明かりを落とすか小さくし、星空や月明かり、闇夜を楽しみましょう。
提灯やランタンの作り方
提灯やランタンは、100円ショップで売られている材料で、簡単に作ることができます。もちろん、本職の提灯職人が作るような立派な物は作れませんが、どなたでも火を灯す程度の機能を持つものなら作ることが可能です。主な材料は和紙と竹ひごと糊です。竹ひごを円状に丸めて球形、円筒形に組み上げ、それに和紙を貼る方法です。
ゴミ箱のような円筒形の物体や、バスケットボールのような球体に竹ひごを巻き付けて、和紙を貼るという方法が簡単です。ロウソクと紙が一定の距離以上離れた構造で、ロウソクの上部に、熱気が逃げる十分な穴が開いていれば、ある程度自由な形のランタン、提灯を作ることができます。
提灯やランタンづくりの小さなテクニック
提灯やランタンを作る時には、必要ないくつかの作業があります。そのいくつかをご紹介します。
竹ひごを切断する方法は、ニッパーで切断するか、板の上に置いて肥後守などで転がしながら切るようにします。細い物はそのまま折っても構いません。
竹ひご同士をつなげるときは、一部を重ねて木綿糸で縛った上で、糊をたっぷり付けた紙を巻き付け、補強します。
竹ひごに和紙を貼るときは、竹ひご側に糊をつけます。和紙は湿らせてから竹ひごの上に静かに載せて軽く押さえ、圧着させましょう。
ロウソクを立てる棒は、コンビニ弁当の竹箸が便利です。これをしっかりした木の棒などに固定し、使います。竹箸にはロウが垂れないように、穴を開けた缶詰の空き缶などを通しておきます。
いろいろな提灯、ランタン
★折りたためる提灯
番線を使った小田原提灯風の、折りたためる提灯を作ることも可能です。園芸用の番線を円にしたものをタコ糸などで連ね、表と裏から紙を貼った物です。折りたためるので、キャンプなどにも携行するのに便利。棒などに引っかけて持ち歩くことも可能です。
★花見、月見用提灯
2本の桧棒に両側からかまぼこ形になるように竹ひごを曲げて円筒形にした、やや大型の提灯。面積が大きいので明るく、桧棒に支えられているので壊れにくく安定しています。
★かぼちゃ型提灯
円く曲げた竹ひごを組み合わせ、球に近い形に組み上げた提灯。ハロウィーンのジャック・オー・ランタンの顔を描くなど、イベント用に使うことも出来ます。
消し忘れに注意
提灯・ランタンは風の強い日は揺れ、場合によってはロウソクが倒れるなどして燃えてしまうことがあります。風の強い日の使用はやめましょう。
火を付けている間は離れないようにしましょう。いつのまにか眠り、知らないうちに溶けたロウソクが燃えはじめてしまうことなどがないように、眠気などを感じたら眠りこけてしまわないように、消火しましょう。
自作の明かりは不格好でも愛着がわくものです。ぜひ色々な面白いデザインの提灯・ランタンを作って、静かな夜をお楽しみ下さい。