ベランダに小川を作ってメダカを飼おう③湛水試験と水づくり

ベランダに小川を作ってメダカを飼おう③湛水試験と水づくり

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ベランダに小川を作ってメダカを飼おう②雨樋をつり下げる

 

湛水試験は水漏れだけでなく、吊り下げ金具が重量に耐えられるかどうかも、慎重に見極める大事な作業(撮影:趣味千編集部)

雨どいを吊り下げ、赤玉土を強いたベランダの雨どい小川。注水し、水を作っていきます。メダカたちを迎える重要な準備の一つです。

雨どい小川の湛水試験

塩ビ用の接着剤で「止め」をはめた雨どい。まずは水を注いで貯め、水漏れがないかチェックします。塩ビ同士が融合するタイプの接着ですし、雨どい自体がそもそも水が通ることが目的で作られている物であることから、まず水漏れは無いと思います。
水をためる際には、注水とともに10キロ、20キロと重量をましていく雨どい小川に、吊り下げ金具が十分に耐えることができているか、慎重にチェックしましょう。

カルキ抜き

塩ビの接着剤は塩ビ同士を融合させる接着方式なので、水漏れに強い(撮影:趣味千編集部)

湛水試験に合格したら、次は水がこなれていくのを待ちます。水道水には殺菌のためのカルキが含まれています。カルキとは次亜塩素酸カルシウムのことです。これが魚にとって良くないということで、「ハイポ」という物質がカルキ抜きに使われます。
水槽をセットしてすぐに魚を入れる必要がある場合でなければ、ハイポによるカルキ抜きは必要ありません。魚を迎えるまでの数日間、放置しておけば抜けます。またもし、カルキを抜かなかったとしても、メダカはカルキが原因ですぐに死ぬというようなことはほとんどありません。

水をならす

バクテリアは自然に発生するもので十分。カルキ抜きなども数日も放置しておけば必要ない(撮影:趣味千編集部)

ためた水に日が当たり、風が吹いて酸素が溶け込めば、自然の水たまりと同じような環境になっていきます。赤玉土から様々なミネラル分が溶け出すと同時に、様々なバクテリアも繁殖し始めます。そうしてただの水道水が自然界の水と同じ状態になるまで、数日間待ちます。
天気の良い夏であれば、数日もしていると早くも珪藻類が雨どいや赤玉土にぽつぽつと、出現するかもしれません。そうなればもうメダカにとって、十分に住みやすい環境といえるでしょう。

バクテリア考

赤玉土は水への影響が少ないが、アクのようなものが最初は出てくるので、いったん水を溢れさせて流す(撮影:趣味千編集部)

バクテリアは水質浄化に欠かせない生物濾過の要ですが、改めて添加する必要はありません。魚の飼育用に様々なバクテリアが販売されていますし、もちろん効果もあります。しかし最も大切なバクテリアは、その水槽のその環境で最も自然に増えたバクテリアです。
かつて宇宙ステーションでメダカの繁殖が試みられた際、小さな濾過装置でどのバクテリアが最も効果的に働くか、実験されました。様々なバクテリアが用いられましたが、最も水質浄化効果が高かった濾過装置は、何もしていない物でした。濾材に自然に発生したバクテリアが、最も重要だという結論でした。

濾過はなし

全てのアクアリウムは自然が手本となる(撮影:趣味千編集部)

雨どい小川は濾過はしません。もちろん濾過をしても構いませんが、しなくて水が汚れてどうしようも無くなるというようなことは、ほとんどありません。水替えだけで、水質は維持できます。やがて稚魚が産まれ、雨どい小川の中のプランクトンが重要な餌になります。濾過装置は稚魚を吸い込む恐れがあるだけで無く、ウールマットなどがプランクトンを濾し取ってしまうため、稚魚の餌もなにもかも死滅させてしまいます。こうしたことも見越し、濾過装置の設置はできるだけ避けましょう。

 

 

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