テンやイタチからニワトリを守る方法~ニワトリの飼い方

テンやイタチからニワトリを守る方法~ニワトリの飼い方

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ニワトリ飼って新鮮卵を食べよう!ニワトリの飼い方

 

ニワトリ達を襲ったテン。西日本に広く分布する「スステン」という、顔や手足が黒いタイプ。可愛い顔をしているが、かなり凶暴(撮影:趣味千編集部)

テンがニワトリを襲撃

いつもお届けしているニワトリ小屋とは別の鶏舎(築10年)が、テンに襲われました。8羽のボリスブラウンの成鳥が犠牲に。深夜、けたたましい鳴き声に目覚め、驚いて駆けつけましたが、鶏小屋の中は凄惨な状況でした。一瞬の犯行です。
今回はテンやイタチが鶏舎を狙っている時の対策、襲撃を検知する方法などについてお届けします。

 

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テン、イタチはどんな風にニワトリを襲うか

テンやイタチはニワトリよりも小さいものでも、ニワトリを襲います。襲われたニワトリは、全く食べられておりません。ただ首の所に小さな傷があるだけで、あれほど丈夫なニワトリがこれしきの傷でなぜ死んだのだろうと、不思議に感じるほどでした。「イタチは血を吸うのだ」という古老もいます。獣医によるとそういうことはないそうですが、そういう言い伝えが生まれてもおかしくないような襲い方でした。
生き残ったニワトリも重い傷を負いました。これも首に傷が集中しています。テンヤイタチはニワトリの首付近にかみ付いて息の根を止めては、次々と全滅するまで襲い続けます。食べるために襲うだけではありません。「野生動物は自分が食べる分しか殺さない」という言葉もありますが、そんなんでもなさそうです。どうせ襲うなら、せめてしっかり、腹いっぱい食べてほしかった、という気持ちになります。

翌日に再び襲撃

テンが産卵箱から侵入しようとし、合板を噛んだり引っ掻いたりした跡。かなりの破壊力があることが分かる(撮影:趣味千編集部)
 
生き残った5羽のニワトリを救うため、ホームセンターで獣よけのライトを買ってきました。ライトは電池式のもので、ストロボが定期的に点滅し、獣を驚かせる物です。効果のある動物として、イタチやテン、鹿やイノシシの名前が記されていました。これをニワトリ小屋のど真ん中に設置しました。
しかし全く効果はありませんでした。ほぼ同時刻、再びけたたましい声が聞こえたので駆けつけると、また2羽がやられていました。人間が目を開けていられないほどの明滅がこれほど連続しているのに、全く効き目はありませんでした。あまりにも大胆です。

初冬から春先は要警戒

テンやイタチの襲撃が多いのは、冬です。山にネズミなどの餌が少なくなり、見つけにくくなると里にやってきて、ニワトリ小屋を襲うことが多いようです。しかし真夏などに襲われた鶏舎もありますので、とにかく一年中、油断と隙を作らないことです。テンやイタチが侵入できない、頑丈な鶏舎・鶏小屋・ニワトリ小屋の作り方はこちらで紹介しています。ニワトリ小屋を作ろう!①~ニワトリの飼い方
ニワトリ小屋が襲われたとき、既にテンは逃げていました。なのでニワトリを襲った獣がなんなのか、捕獲するまで数カ月がかかりましたが、わかりませんでした。イタチ、チョウセンイタチ、アライグマ、タヌキ、キツネ、野犬などを想像していました。

罠を仕掛ける

罠は野ざらしにして枯葉や雑草が巻きつく程度のものが良い。新品は警戒されやすい(撮影:趣味千編集部)
 
次にホームセンターで売られている捕獲器を仕掛けました。趣味で飼っているニワトリである以上、襲った野生動物を殺す形で捕獲するのは躊躇われたため、網カゴの中に入ったとたん蓋が閉まるタイプの罠にしました。もちろんニワトリは守りたいですが、こちらは生活がかかっているわけではありません。一方、野生動物は懸命に生きています。子育て中かもしれません。ニワトリがやられたのは、小屋の老朽化に気付かなかった飼い主の落ち度です。
 
トラバサミとよばれる、脚や手を挟むタイプの罠もありますが、誤って猫がかかったり、人間の子どもが挟まれたりする恐れのある、大変危険な物です。よほどの狩猟経験がない限り、使わない方が賢明です。
以前にもお話ししましたが、罠を仕掛けるのには免許が必要となります。
捕獲器に設置する餌で有効なものは、唐揚げ、魚肉ソーセージ、焼き鳥など、人間が食べるもの。においが強いたんぱく質の餌がよいようです。
 
二羽が一緒に産卵箱に入って、仲良く卵を産みました。

ニワトリを襲ったのは「スステン」

数週間後、罠にテンがかかりました。正式な和名は「ホンドテン」で、とりわけそのなかでも顔や手がくろっぽい「スステン」と呼ばれるものでした。動物園に写真をメールし、特定しました。
写真をご覧になればおわかりいただけると思いますが、大変かわいらしい、ぬいぐるみのような外見をしています。ところがすさまじい獣臭がしますし、激しく檻を咬んで抵抗します。さすが野生動物です。害獣対策が専門の獣医に相談の上、数日後に山に放しました。

若い獣ほど大胆

ニワトリ小屋の角材にテンが噛み付いた跡。一晩かけて板に穴を開けるほど歯が強い(撮影:趣味千編集部)
 
獣医によると、スステンは体長からまだ若いとみられとのことで、成獣に比べ、経験が浅いため、連日襲撃したと推測できるとのことでした。「また鶏小屋を襲わないためには『ニワトリ小屋の周囲は恐ろしく危険な場所だ』とすり込ませることが大切」というので、2日ほど餌も水も与えず、弱らせてから山奥に逃がしました。檻を開けるときは、指を噛まれないよう、十分に注意が必要です。

金網の定期点検を

テンやイタチの被害が多いのは冬季。日中はまず大丈夫だが、日没から明け方までは油断できない(撮影:趣味千編集部)
 
スステンの進入口となったのは、わずかな金網の浮き上がりでした。ソプラノリコーダーさえ入らないほど小さな隙間をこじ開け、進入したようです。
ニワトリ小屋をよく見回ると、スステンが進入しようとして、すさまじい傷を付けていたことがわかりました。爪痕、歯形などが木に無数にありました。小さくてかわいい顔をしていますが、力はかなり強いようで、もろい物なら引きちぎってしまうほどです。こうした傷に早く気付いておけば、ニワトリが救えたかも知れません。
ニワトリ小屋を作ったら、定期的に金網の強度や木枠の緩みなどを点検するように心がけましょう。

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