上級者向け~マチェットの使い方

上級者向け~マチェットの使い方

料理やロープの切断、簡単な木工などに使える万能多用途な「鯵切り包丁」を紹介しています↓

アウトドアやキャンプで本当に役立つ刃物はこの1本

工具ながら「型枠ノコギリ」はキャンプ場などで大活躍↓

アウトドアやキャンプで役立つ「型枠ノコギリ」

 

40年以上使われているオンタリオのマチェット(左)とガーバーのマチェット(撮影:趣味千編集部)

マチェットとは

マチェットとは比較的薄い刃ながら、長さが40センチ~80センチ程度と長い、鉈と刀を組み合わせたような刃物です。山刀(やまがたな)と称されることもありますし、戦争経験があるお年寄りなどは「蛮刀」(ばんとう)などと呼ぶ人もいます。水滸伝などで振り回されている刀のようなフォルムをしていますが、世界各国で長年使われてきた刃物です。
マチェットは、ベトナム戦争のジャングル戦で米軍が携帯し、薮を切り払うシーンなどが上映されたことから、一般に知られています。マチェットはまさにそのように薮を払うのには適していますが、日常的に使っている人の使用方法を見ると、焼き畑農業の種まきの穴を掘ったり、木の実を割ったり、畑を耕したり、大きな肉をさばいたりと、実に様々な雑用に使っています。

マチェットの特徴と切れ味

化繊の鞘が付いたガーバーのマチェット。峯のノコギリは一長一短(撮影:趣味千編集部)

 
マチェットは刃が長く、先端が身幅が広く作られているため、高い場所の枝を落としたり、勢いを付けて小枝を落としたりするのに適しています。青竹などもスパスパ切ることができます。一般的なマチェットは湾刀ではないので多少はコツがいりますが、使い慣れて引き切りができる人なら、日本刀で試し切りに使う薪藁など、わけなく切断できます。
マチェットはスプリング(板ばね)などを利用して作られたものもありますので、刀などとくらべるとずいぶんとしなる性質を持っています。粗悪なマチェットは衝撃で折れ易く、飛び散った刃で怪我をする恐れもあります。刃筋が悪いときも曲がったり、粗悪なものは折れてしまいます。フィールドで実際に激しく使う前に、しなり具合などを試し、刃の特性を確認しておいたほうがよいでしょう。
マチェットの柄にあたるグリップ部分は基本的に片手用です。樹脂や木でできています。諸手で握る場合は、片方のこぶしを包むような形となりますが、マチェットは片手で使うのが基本。諸手で振り下ろすような使い方はほとんどしません。

マチェットの使い方には注意が必要

よく切れる、刃渡りも脇差以上に長いマチェットです。マチェットの使用時に周囲に複数人いる場合は、十分に注意が必要です。周囲5メートル程度に人がいるようなシチュエーションでは、大けがをする恐れがあります。特に振り上げた際に背後の人を傷つける危険があります。周囲に人がいるときは、マチェットはなるべくなら使わない方が無難です。
マチェットはかなり後方に振り上げてから振り下ろす使い方をしますし、対象物にうまく刃が食い込まなかった場合は刃が滑り、思わぬ方向に刃を振ってしまうこともあります。
またマチェットは刃先が重く作られているため、勢いがつくと止まりにくく、低い場所の物を切るとき、下手をするとすねや足の甲に振り下ろしてしまう事故も起きます。

マチェットを使う練習

オンタリオ製マチェットのグリップと、鞘の鯉口部に付いている研ぎ器(撮影:趣味千編集部)
 
マチェットを使いこなすには、練習が必要です。最も大切なのは、正確に振り下ろす動作ができるようになることです。最初はゆっくりで良いので、立てた棒などを目標に、狙ったところにマチェットの刃の「物打ち」が正確に当たるように、練習しましょう。
次に切ろうとする対象物に刃が当たった瞬間に最も打ち込みが強くなるように、丸太などを使って練習しましょう。最初は手首、肘を使って「コン、コン」と軽く打ち込むようにし、次第に肩や背中を使う大きな動作を練習します。手首のスナップを使い、刃が対象物に当たった瞬間にしっかり握りこむような動作を習得しましょう。

オンタリオとガーバー

マチェットは色々なメーカーが発売していますが、今回はオンタリオとガーバーのマチェットの特徴と相違点をご紹介します。
刃の形状はオンタリオもガーバーも似たような物です。刃の厚みも変わりません。刃の峰のノコギリは、どちらにも付いたバージョンがあります。しかしこのノコギリ自体、使う機会はあまりありません。峰を手で押して木の皮を削るような作業の際には、むしろ邪魔になります。植物のつるを切るような場面では、ノコギリは役に立ちます。
刃はオンタリオに対し、ガーバーのほうがしなります。より硬い物に切り込む際は、オンタリオの方が使いやすいかも知れません。ガーバーは刃が結構しなるため、刃が食い込まず、刃筋が逸れてしまうことがあります。

マチェットの刃の研ぎ方

ケースはオンタリオは樹脂製、ガーバーは化繊でできています。オンタリオはごく簡単な刃を研ぐ部品が付いていますが、おまけのようなもので使い勝手が良いとは言えません。金属用のやすりで研いだ方が早く、確実です。切れ味が良いに越したことはありませんが、あまり薄刃に研ぐと破損の恐れもあります。
マチェットは買った時には刃が付いていないことがあります。こうした場合はやすりや砥石で1から研ぐよりも、刃物とぎなどを行う刃物店に行き、グラインダーで研いでもらったほうが良いでしょう。研ぐ刃の角度は対象によって異なるため、竹や小枝を切るとか、斧のように使うとか、用途を研ぎ屋さんに伝えておきましょう。

キャンプ場などに持っていくのはやめましょう

他のキャンパーがいるキャンプ場などには、マチェットではなく鉈を持って行った方が安全(撮影:趣味千編集部)
 
マチェットは山でソロキャンプを楽しむようなときならぜひ携行したい、有能な刃物です。特に薮を切り進んでいくような行程がある場合、鉈などと同じように大変役に立ち、心強い存在となります。
しかし多くの人がアウトドアを楽しんでいるようなキャンプ場などに持っていくのはやめましょう。マチェットは段平のような威圧感のある刃物なので、周囲に無用な緊張を与えてしまいがちです。キャンプ場のような整備された場所では出番も少ないので、ファッションとしても腰から吊して歩くようなことは避けましょう
 
 
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