チキントラクターの作り方~ニワトリの飼い方

チキントラクターの作り方~ニワトリの飼い方

ニワトリを飼う前に必要な手続きは?

ニワトリを飼うのに許可が必要?

 

10年以上使っているチキントラクター。製作費約1000円。こんなものでも十分役に立つ(撮影:趣味千編集部)

ニワトリを農業に役立てる

ニワトリは菜園に出るのが大好き。コガネムシの幼虫もナメクジも片っ端から食っていく。新芽も食べるので注意(撮影:趣味千編集部)
 
毎日欠かさず1個ずつ卵を産んでくれる、大変ありがたいニワトリですが、彼女らの持つ力はそれだけではありません。ニワトリが出す糞は鶏糞として大変優秀な肥料となります。雑草などと混ぜて発酵させれば、市販の肥料より安全で優れた肥料となります。
畑の害虫や雑草を食べてくれるという働きもあります。人間には見つけにくい雑草の種や芋虫などもセカセカと探し当て、パクパクと食べてしまいます。つまりニワトリは農業に不可欠とも言える「施肥」「耕耘」「除草」「防虫」の4つの作業を、餌を探して食べる課程でこなしてくれます。有機、無農薬の農業に挑戦中の方には特に、ニワトリを飼うことをお勧めしたいと思います。

チキントラクター

チキントラクターは、一人で運べるサイズ、重さが使いやすい(撮影:趣味千編集部)
 
こうしたニワトリの4つの機能を生かした「チキントラクター」という装置があります。装置と言ってもただ単にニワトリが出ないようにした可搬式の檻のことで、お好きなように作っても良いですし、果物などを運ぶコンテナや、金網でできた大きなゴミ箱を伏せて、中にニワトリを入れるだけでもいいです。
除草し、「根切り虫」などと呼ばれるコガネムシの幼虫などを駆除し、耕し、肥料を与えたい畑の畝があれば、そこにニワトリを入れたチキントラクターを置くだけでOK。全ての作業をニワトリがやってくれます。

チキントラクターの作り方

 

写真で使っているチキントラクターは、ニワトリを鶏舎から出した時に、隣の家に遊びに行かないように作った金網を張った木枠を利用したものです。荒材などで木枠を作り、金網をタッカーで打ち付けたものを二つ作ります。これを蝶番でつなぎ、三角形に立てることができるようにしたもので、ちょうどニワトリがうろうろできる高さにしています。中にニワトリを2~3羽入れ、両端を板などで塞げば完成です。
先述したように、コンテナやゴミ箱を使えばわざわざ作らなくても大丈夫ですが、段ボール箱など、光が通らずに真っ暗になるもので覆うと、ニワトリが寝てしまいますので注意しましょう。

チキントラクターの運用

チキントラクター内のニワトリ。餌とも、餌ともつかぬものも、あまり区別することもなくどんどん食べていく。(撮影:趣味千編集部)
 
チキントラクターを使う日は、朝、餌を与えないようにしましょう。目的の畑の畝にチキントラクターを設置したら、鶏舎から数羽を運び出してチキントラクターに入れます。飢えたニワトリたちはすぐに草を次々と食べ始めるでしょう。
草をひとしきり食べたらニワトリたちは、地面をひっかき始めます。根切り虫やはさみ虫、ナメクジなど、あらゆる生き物をほじくっては、片っ端から食べていきます。ムカデのような刺す虫もお構いなしで食べていきます。少し残念なのは畑にとってありがたいミミズまで食べてしまうことですが、仕方ありません。
チキントラクターが小さい場合は、少しずつ移動させ、畝全体を耕せるようにしましょう。

チキントラクターの注意点

全力疾走する庭の二羽のニワトリ。家庭菜園の助っ人としては心強い存在だ(撮影:趣味千編集部)

 
ニワトリが脚でひっかいて耕すことができる深さは、せいぜい10センチ前後です。それ以上深く耕耘したい場合は、やはり鍬などで耕すしかありません。またニワトリはセイタカアワダチソウの茎のようなものは、さすがに食べられません。背の高い大きな草は、あらかじめ取り除いておきましょう。
チキントラクターに害獣の侵入に耐えられるような頑丈さがあれば別ですが、簡易的に作ったものであるなら、犬や猫、イタチなどにニワトリが襲われないか、注意しておくことが必要です。イタチなどは夜間に襲撃することが多いので、日中はほとんど気にしなくても大丈夫ですが、万が一のことを考え、観察は怠らないようにしましょう。
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