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組み上がった雨どいビオトープにトロ船を接続する方法のご紹介です。トロ船を接続することで、「小川」が「池」につながっている状態となり、完全な人工物ながら、水域に変化が作れます。
3カ所にトロ船を接続
今回は80リットルほどのトロ船三つを使い、雨どい小川の各所に接続していきます。接続にはバルブソケットを使います。
まずはトロ船に、雨どい小川と接続するためのパイプが通る穴を開けます。この穴は「ホルソー」という道具を使って開けます。ホルソーは円状になったのこぎりで、ドリルの先端に付けて使うものです。刃が回転し危険な作業となりますので、革手袋やゴーグルの着用といった安全策を十分にとって作業する必要があります。
バルブソケットの接続
空いた穴にバルブソケットを接続し、トロ船に連結させます。バルブソケットは、雄ねじ、雌ねじから成り立っており、トロ船の壁面を内外から締め付けるようにしてパイプを接続します。この際に「Oリング」をソケットにかませるなどすると、防水効果が高まり、水漏れを防ぐことが出来ます。
トロ船の効果
水生昆虫やエビは、雨どいとトロ船の間を、パイプを通って移動します。メダカはパイプを通るのが苦手で、どちらかの水位が高く、水流が生じるような場合にしか移動できません。
こうした習性があるため、トロ船は稚魚や幼魚を育成する場所としても重宝します。
トロ船の半分をれんがで仕切り、赤玉土を入れて陸部にし、そこにヤナギなどの樹木を植えることも可能です。樹木は日陰を作って水温上昇を防ぐだけでなく、落下昆虫を増やすなどの効果もあります。これについては後の章で詳しく説明します。
遊水池の役目
河川が豪雨などで氾濫した際、遊水池があふれ出た水の受け皿となります。トロ船に日陰を作り、それが雨よけになる場合、一気に増える水かさを吸収することもできます。たたきつけるような土砂降りで一気に雨どい小川の水かさが増してしまっても、短時間であれば3カ所のトロ船があふれた水を分散して受け止めてくれます。
水田にもできる
常に湿地のような状態になるので、土を入れて稲を植え、ミニ水田にしても面白いです。ミニ水田は「ニワトリの飼い方」でも、屋根代わりのトロ船で作ったことがありますが、大変面白いものです。
それにメダカは元々稲作と密接な関わりのある生物なので、ミジンコやユスリカ、イトミミズなどが発生する水田は、メダカの餌場としても重要な場所となります。