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阿蘇山の観察場所
阿蘇山は九州の中心部にある巨大な火山。世界最大級の阿蘇カルデラの中にあります。世界ジオパークにも登録されています。カルデラを形成する外輪山の内側に阿蘇市、高森町、南阿蘇村の3自治体があり、4万数千人が暮らしています。
外輪山の内側には大小様々な火山がありますが、現在も噴気を上げているのは中岳。遠くからでも噴煙を見ることが出来ますが、もっと近くで観察するなら観光地でもある「草千里」からがお勧めです。草千里は中岳火口から3キロほど離れた場所で、観光乗馬の馬がのんびり草をはんでいる草原です。近くには阿蘇火山博物館があり、阿蘇山の噴火史を詳しく知ることが出来ます。駐車場もトイレもあり、レストランや土産物屋もありますので、お子様連れでも安心して見学することができます。
阿蘇山の噴火警戒レベル
阿蘇山は大噴火を繰り返してきた火山です。9万年前の「Aso4」と名付けられた破局噴火(カルデラ噴火)では、火砕流が山口県まで到達するなど、想像を絶する被害をもたらした、すさまじい火山です。
現在も噴火活動をしている中岳が穏やかな時期は、火口にある「湯だまり」という強酸性の火口湖を、間近で見ることが出来ました。
しかし2019年段階では、阿蘇は「噴火警戒レベル2」の火口周辺規制が出されており、そこまでは近づくことが出来ません。中岳から半径1キロ以内は、噴火で飛ばされてきた噴石が落下したり、火砕流が発生する恐れがあり、立ち入れなくなっています。
噴火警戒レベルが3になると、居住区近くに重大な影響をもたらす大きな噴火が発生する恐れがあり、登山・入山が規制されます。気象庁が発表する情報がすぐにキャッチできるように、携帯電話やラジオなどの受信機を持っておきましょう。
阿蘇山の噴火の特徴
2019年11月現在、阿蘇山は比較的穏やかな活動をしています。火山ガスや蒸気をほぼ常時噴き上げ、白い湯気のようなものが立ち上っているのがいつもの状態ですが、時々、灰色の噴煙を噴く「灰噴火」を起こします。灰噴火とは、空振や噴石の飛散などを伴わない噴火のことです。この言葉は気象庁も阿蘇の噴火史の説明に用いています。
灰噴火は、勢いよく噴石が噴き出す「ストロンボリ式噴火」と異なり、火山灰を吹き上げます。火山灰は阿蘇地方では「よな」と呼ばれ、地元の天気予報などでは降灰エリアが報じられます。草千里などで火山を観察中に灰噴火が起きた場合、風向きによっては大量の火山灰を浴びてしまうことになります。
普段は穏やかな阿蘇ですが、2015年、2016年には、噴火警戒レベル3に引き上げられる比較的大きな噴火が発生しています。
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