火山の近くは栄える
火山の大規模な噴火は都市機能を麻痺させ、生態系を一変させる、大変恐ろしいものです。破局噴火は大量絶滅をもたらす恐れもある、絶望的な地球規模の災害です。
しかし一方、火山の周囲には古くから多くの都市が作られ、人々は温泉や硫黄といった様々な恩恵を受けながら暮らしてきました。大河の側で文明が栄えたように、火山もまた都市を作ってきました。
噴火もあれば降灰もあり、時には暮らしを圧迫してくる存在でもある一方、火山をひとつのシンボル、人格としてとらえ、親しみを感じている住人も少なくはありません。そんな風に親しまれている個性的な火山、阿蘇と桜島を観察してみました。
国内には111の活火山
国内には111の活火山があります。活火山とは過去約1万年以内に噴火した火山と、今も活発に噴気活動のある火山と、火山噴火予知連が定義しているものです。このうち50については、気象庁の火山監視・警報センターが常時監視しています。
監視の項目はいくつもあります。火山性微動や火山性地震を観測する地震計、マグマの上昇や地殻変動など、山体の膨張をキャッチするための傾斜計、人工衛星で微妙な地殻の動きをとらえるGNSS観測装置もあります。空振計や監視カメラも、爆発や噴煙、火映現象を捉えるのに用いられます。
火山の観察の装備
火山を観察するときに必要、またはあると便利な装備について説明します。まずはマスクです。解体現場などで使う、簡易式の防塵マスクが良いでしょう。降灰していないときでも、風で地上の灰が舞い上がることがあります。鼻や頰にぴったりフィットするものが良いでしょう。火山ガス対応用のマスクもありますが、そういうマスクが必要な状態では観察どころではなく、避難が必要です。
ゴーグルも火山灰から目を守るのに役立ちます。火山灰はガラス粒子が含まれ、目に入ると傷が付きます。降灰や風が強い日はゴーグルで防御しましょう。
火山灰が目に入ったら、こするのは厳禁。水で洗い流すのがベストです。ペットボトルの水などを持っておくと便利です。
その他、双眼鏡なども火口付近を観察するのに便利です。
自動車が灰を浴びてしまったら
火山観察中に降灰で自動車に灰が降ることもあります。こうした場合、車両をいきなり布で拭いたりすると、塗装が傷だらけになります。
フロントガラスに大量に降灰している場合は、はたきなどで軽く灰を落とし、視界を確保します。ワイパーでこすったりするとガラスが傷つきますし、水をいきなり掛けたりすると、灰が泥状になってメチャクチャになります。
視界をある程度確保したら、静かに車のドアを開けます。ドアと車体の隙間に火山灰が入っているので、なるべく車内に灰が入らないようにするためです。エンジンを掛けたらゆっくりと走り、走行風で火山灰を飛ばします。
火山灰のないところまで行ったら、洗車します。上から順に水を掛けていくのが鉄則です。灰がこびりついている場合は水を掛けて火山灰を柔らかくした後、できれば高圧洗浄機などで吹き飛ばします。無い場合はたっぷりと水を含ませた柔らかいタオルなどで優しくなでるようにこすり、灰を落とします。押しつけると塗装が傷つきます。
エアコンは内気循環に。外気循環にしていると、車内に灰が入ってきます。
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