夏の干潟を観察する―ムツゴロウとカニの天国②

夏の干潟を観察する―ムツゴロウとカニの天国②

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夏の干潟を観察する―ユニークな生き物の天国①

 

ひれを立て口を大きく開けて互いに威嚇し合うムツゴロウ。なかなかの闘魂だ(撮影:趣味千編集部)

ムツゴロウの採取

ジャンプして縄張りへの侵入を警告するムツゴロウ。かなりのジャンプ力がある(撮影:趣味千編集部)
 
そんなムツゴロウは、竹筒を干潟に埋めて巣穴と間違えるムツゴロウを獲る「タカッポ」という漁具で漁獲されます。
もうひとつ、「ムツカケ」という方法もあります。これは「潟スキー」という板に乗って干潟を自由自在に移動しながら、特殊な針でムツゴロウを引っかけ、獲る方法です。
干潟では潟スキーがなければ自由な移動ができません。もし航空機が干潟に不時着した場合、救出できない恐れがあることから、佐賀空港は開港当初、ホバークラフトも配備していました。2006年に費用対効果の面から廃止となりましたが、そうなると万が一の時には潟スキーがかなり活躍するのではないかと、思います。

ムツゴロウ釣りのタックル

体を寄せて戦うムツゴロウ。追い払われれば巣穴も奪われる(撮影:趣味千編集部)
 
ムツカケは高度な技術が必要な釣りです。ムツゴロウまで10メートル程度に接近し、針がついた鉛で引っかけるもので、「宮本武蔵とムツカケ漁師が対決して勝利した」などという伝説が生まれるほど、巧妙な竿さばきが必要とされます。
竿は5メートルほどのアユ竿を使います。ナイロンやPEなどの釣糸は伸縮して狙いが定められないため、釣糸は36番のピアノ線を使います。
針は自作です。自転車のスポークをグラインダーで研いで尖らせたものを5本準備し、15号の棒鉛を溶かして埋め込みます。針が深くムツゴロウを貫通するように、イカ針などと比べて針は長くなります。
 
動いているムツゴロウはより愛嬌があってユニークです。ぜひ動画でご覧ください↓
 
 
 
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