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海上交通センターの無線放送を聴く
海上保安庁は海上交通センターから様々な管制を行っています。手段のひとつとして、「こちら○○マーチス」で始まるVHF無線があります。海上交通センターと船舶が直接やりとりをし、航行の予定を確認したり、非常に遅い船が前にいることや、大型船が近づいていることなどを知らせたりします。気象注意報、警報が出た場合も知らせます。
○○マーチスは、東京なら「東京マーチス」、関門海峡なら「関門マーチス」となります。無線の周波数は国際VHFと呼ばれる150Mhz帯で、156・8Mhzが船舶とマーチス呼び出す呼び出しチャンネルとなっています。交信は割り振られた別の周波数に移動してから行われます。
国際信号旗を楽しむ
海峡や港湾などの沿岸を航行する際、外国船は国旗を船尾に掲げます。これ以外にも「国際信号旗」を掲げ、旗旒信号を示す必要があります。
国際信号旗はそれぞれアルファベットや数字を表したカラフルな旗で、それぞれに意味があります。国際的に共通した意味で、例えば「D」は「操縦が困難である。避けよ」という意味を持ちますし「S」は「後進をかけている」という意味になります。日本海海戦で掲げられた「Z」は「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」という意味を日本海軍内で持たせ、周知させたものですが、万国共通の意味は「タグボート(曳船)が欲しい」になります。
これらの国際信号旗を組み合わせて様々な意味を作ることもあります。関門海峡の旗旒信号は次の通りに定められており(https://www6.kaiho.mlit.go.jp/kanmon/info/tab/toukei/shinro/shinrosingou.pdf)、かなり複雑なものです。この旗旒信号の表が手元にあれば、船の進む方向がわかります。
船名を楽しむ
船は個々に名前があります。かつての飛行機にも「もく星号」や「よど号」などの名前が個々の機体に付けられていましたが、今はボーイング747エアバスA380などの機種名で呼ばれることがほとんどです。
自治体が有する消防や防災、警察用のヘリコプターについては普通、個々に名前が付けられています。東京消防庁では「はくちょう」や「つばめ」、警視庁では「おおとり」や「おおぞら」などとなっていますし、秋田県のヘリ「なまはげ」のように、ご当地にちなんだ命名をしていることもあります。
これに対し、ほとんどの船には、1隻ごとに名前があります。船舶法で船名を登録することが義務づけられているためです。
船名の色々
日本の船名は「日本丸」のように漢字で表記されているものが多く見られます。英語名の船名の場合は平仮名にすることが多く、「SUN FLOWER」という英語も、「さんふらわあ」と書かれます。駆逐艦などでは「アヤナミ」「ユフダチ」など、片仮名で表記したケースもありました。
日本の船には「咸臨丸」や「あるぜんちな丸」のように、○○丸などの名前が多く見られます。「丸」は「飯田丸」のように城の郭の名称に用いられたり、「蛍丸」のように刀剣に使われたりすることもありますが、船には特に多用されています。
関門海峡には「さんかくしかく○」という警戒船があります。ピンク色のとてもかわいい船ですが、名前もとびきりユニークです。
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