楽しもう!船舶ウォッチング②~海上管制の色々

楽しもう!船舶ウォッチング②~海上管制の色々

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楽しもう!船舶ウォッチング①~どんな準備をする?

関門海峡は古くから陸海の交通の要所で難所。狭く、潮が速く、島も多数あり、航行量も多い(作画:趣味千編集部)

船舶ウォッチングの仕方~歴史を楽しむ

エメラルドグリーンのきれいな船。海流に逆らって周防灘へ向かう(撮影:趣味千編集部)

 

今回は関門海峡の壇ノ浦を通過する船舶を例に船舶ウォッチングをしてみます。ここは瀬戸内海の西の入り口で、様々な種類の船が多く行き交う、海上交通の要所です。すなわち歴史の舞台でもありました。
壇ノ浦は源平合戦の古戦場で、潮流が速く複雑なことで有名。要所であると共に難所でもあります。近くには宮本武蔵と佐々木小次郎が決闘をした巌流島もあります。幕末には長州藩が英米仏蘭の4カ国に砲撃された下関戦争(馬関戦争)の舞台ともなりました。第二次大戦中は米軍が大量の機雷が投下し、呉軍港からの物資輸送を妨害する作戦を実施しました。
海岸線には自治体が設置した港や海峡の歴史案内の掲示板などが多数ありますので、たっぷり楽しみましょう。

船舶ウォッチングの仕方~地形と潮流を楽しむ

(上)川のように流れる関門海峡の潮流。(下)門司埼灯台。最初は大正時代に建てられた。背後の山は火の山。かつて下関要塞の砲台が置かれた(撮影:趣味千編集部)

関門海峡は来島海峡、鳴門海峡と並び「日本三大急流」などと呼ばれることもあるほど、潮の流れが急です。玄界灘方面から瀬戸内海に潮が流れ込む東流れと、瀬戸内海から玄界灘方面に潮が流れ出る西流れが日に4回、交互に発生します。引き潮は東流れ、満ち潮は西流れです。
潮の流れは速く、時速約20キロに及ぶことがあります。川のように流れ、とても海とは思えないほどです。場所によっては渦を巻くときもあります。大潮など、干満差が大きいときほど潮の流れが速くなります。
海峡には関門橋が架かり、海底には関門トンネルが走っています。

船舶ウォッチングの仕方~潮流信号を楽しむ

関門海峡に設置された電光掲示板。左から「東への潮流(響灘から周防灘へ)」「5ノットの流速」「流速は弱まりつつある」の意味。リアルタイムで船舶にアナウンスしている(撮影:趣味千編集部)

 

海峡や港湾は交通の要所なので、灯台や電光掲示板など、様々な信号類があります。
重要な灯台には、灯台の説明が書かれています。門司埼灯台はその一つ。大正13年に初めて建てられた、伝統ある灯台です。
関門海峡では、電光式の掲示板で潮流を知らせるものが3カ所あります。「E」「W」で東西の潮流の向きを表し、数字で何ノットの流速かを表しています。「↑」「↓」は今後の流速の変化の強弱を表します。

船舶ウォッチングの仕方~管制信号を楽しむ

関門トンネルの「人道」。バイクは押して渡ることができる。県境は観光客の記念撮影の名所だ(撮影:趣味千編集部)

 

関門橋下には「H」「T」のアルファベットを表示する電光掲示の「早鞆信号所」もあります。10000トン以上の船舶または3000トン以上の油送船の存在と航路を示すもので、玄界灘方面から瀬戸内海に入りつつある場合は「H」が、瀬戸内海から玄界灘方面に出て行きつつある場合は「T」が点滅します。双方から来ている場合は、両信号が交互に点滅する場合もあります。

潮流放送を聴く

潮流の情報は海上保安庁がウェブサイトでリアルタイムで提供している。船舶ウォッチングでは何かと重宝する(撮影:趣味千編集部)

関門海峡では3分おきに、潮の流れの方向、速さ、速さの今後の変化について放送しています。潮の流れの向きが変わることも知らせてくれます。自動音声で放送が行われています。
潮流放送の周波数は1625・5Mhzです。電話(0832・22・8810)でも同じ放送内容を聴くことが出来ます。

 

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