竹竿を作って釣ってみる

竹竿を作って釣ってみる
1メートル足らずの矢竹の竹竿。用水路のような細流のほか、消波ブロックの探り釣りなどにも使え、何かと便利(撮影:趣味千編集部)

竹竿の今昔

矢竹は太さに応じて、様々なタイプの竿が作れる(撮影:趣味千編集部)
 
いろんな種類の竹が自生するアジアでは、釣竿はほとんど竹で作られていました。その後、グラスロッドが登場。粘りのある素晴らしい素材で、一気に釣竿はグラスロッドに変わり、竹竿は駆逐されてしまいましたが、そのグラスロッドもその後、カーボン素材の竿に取って代わられました。
 しかし竹の釣竿としての性能はかなり優秀で、そこらへんの細流で小鮒を釣るようなものから、荒磯でイシダイを狙ったり、南海でカツオを一本釣りで釣り上げたりするようなパワーを要する釣りにも、十分に応えられる性能を持っています。

矢竹を使う

矢竹は字の通り、弓矢の矢に使われる竹で、重要な軍需品でした。武家の庭や城、砦などに植えられていましたが珍しいものでは無く、河川敷などでは普通に生えています。
矢竹は直径2センチほどにもなりますが、密集して生えると、鉛筆のように細いものが生えます。太く長いものは投竿や渓流竿にも使えますが、今回はあえてこの細い矢竹を使い、1メートル程度の短い延べ竿を作ってみます。

短い竹竿の使い道

田んぼの中の用水路。雑魚がたくさん泳いでいた(撮影:趣味千編集部)
 
1メートルほどの短い竿は、結構な使い道があります。最も使えるのは、農業用水路などの小川。ハヤやハエなどと呼ばれるオイカワやカワムツ、タナゴ類や小鮒などが泳いでいる場所は、何メートルもある竿は出せません。こういう場所では、短竿が有利です。
消波ブロックの上を狙い歩くような釣りでも役に立ちます。川ならオヤニラミやドンコ、ヨシノボリ、海ならカサゴ、メバルなどが対象魚となります。
水面との高さがあまりない防波堤からの落とし込みや、河口のハゼ釣りなどにも活躍します。

竹竿の作り方と特徴

潜むドンコ。基本的に夜行性で、昼間は釣りづらい(撮影:趣味千編集部)
 
竹竿の作り方は、竹を切って枝葉を落とし、干すだけです。できれば竹は冬に切った方がよく、虫が付きにくく長持ちするなどの利点がありますが、あまり気にしなくてもいいでしょう。
干した竹の中から、最も「釣竿っぽい」ものを選びます。しならせてみてボキッと折れないものを選びましょう。
釣竿はしなる場所ごとに種類があり、先端部が最もしなる「先調子」や、真ん中が最もしなる「胴調子」、手元に近い場所が最もしなる「本調子」などがあります。先調子が最も魚を取り込みやすい一方、胴調子などは魚の引きも楽しめます。細い矢竹の竿はおおむね、胴調子となることが多いようです。

自作の竹竿で釣ってみる

簡単な仕掛けを取り付け、釣り開始。初心者や、子どもの初めての釣りに、手作りの竹竿はもってこいだ(撮影:趣味千編集部)
 
作った短い竹竿を使い、農業用水路で小物を釣ってみます。道糸、棒浮き、ガン玉を咬ませ、袖針を付けた仕掛けを竿先に結び、ミミズを餌にしてみます。
用水路にはなにやら小魚が素早く泳ぎ回っている一方、水底のカナダ藻のそばに、10センチほどのドンコが隠れていました。
このドンコを釣るべく、ちょん掛けのミミズを鼻先に流しますが、無反応。3回ほど流したのに無反応なので、竹竿の先でつついてみると、ロケットのように吹っ飛んで逃げていきました。ドンコは基本的に夜行性なので、寝ていたのでしょう。

タカハヤが釣れた

(上)用水路で釣れたタカハヤ。(下)タカハヤは渓流域の冷たい水を好む。湧き水が水源の用水路にも多い(撮影:趣味千編集部)
オイカワやカワムツなどがいてもおかしくない様子の用水路だったのですが、釣れたのはタカハヤでした。タカハヤは通常、ヤマメなどがいるような渓流に生息し、中流から河口、湖沼まで広く分布するオイカワなどと違い、平野部では見られません。
しかしこの用水路は湧き水が主な水源となっていて夏季でも水温が低く、渓流などと条件が似ているため、盆地の平野ながらタカハヤが主に生息しているのかもしれません。

初めての釣りは自作の竹竿で

たかだか7センチほどのサイズのタカハヤですが、細い胴調子の竹竿だとよくしなるため、取り込みも結構楽しめます。より大きなオイカワ、ギンブナ、ハゼなどだと、もっとスリルがあるやりとりができます。
もし小さいお子さんに初めて釣りを教えるなら、こうした竿を一緒に作って、足場がよく安全な用水路や河口で、小物釣りを体験してみるのもいいでしょう。良い入門になります。
 
 
 
この日の様子はYouTubeにてご紹介しています↓
 

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